研究分担者 |
浅田 稔 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60151031)
開 一夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30323455)
丸 典明 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (60239150)
板倉 昭二 京都大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (50211735)
港 隆史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50359858)
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研究概要 |
知能ロボットの知能のメカニズムに迫る工学的アプローチの展開を目標に,本研究を展開してきた.研究のポイントは主に,次の通りである.(a)工学的アプローチによる知能ロボットの実現と,脳科学的・認知科学的理解の融合.(b)触覚・視覚・聴覚と多くのアクチュエータを持つ自由度の高い人間型ロボットの基本メカニズムの実現.(c)相関構造に基づく,感覚とアクチュエータのマッピングである. これらの目標に対して,研究成果は次の7つの項目分類することができる(それぞれ,報告書の各章に対応).[1]知能を持つ多自由度機械の原理と開発.[2]視覚・触覚・聴覚の実現.[3]多感覚の情報統合.[4]感覚と行動の統合.[5]学習による知能的行動の獲得.[6]脳科学による人間の知的行動の解明.[7]ロボットと人間の相互作用評価.(a)に対しては,[1],[6],[7]が深く関係し,(b)に対しては[2],[3],[4]が関係する,また(c)に対しては,[4],[5]が関係する. [1]知能を持つ多自由度機械の原理と開発においては,ロボットに対する新しい概念.工学と科学の接点としてのロボットに関する考察を行った.[2]では,個々の感覚情報処理の基礎技術について研究開発を行った.[3]では,それら複数のモダリティを統合利用する方法について研究開発をおこなった.[4]では,続合されたセンサ情報と,ロボットの動作を結びつける研究を行った.[5]では,相関構造抽出メカニズムとして主種の学習アルゴリズム等に注目し,知的に行動するロボットの原理に迫った.[6]では,脳科学的アプローチにより,ロボットと人間行動の比較を試み,[7]においては,認知科学的手法により,人と相互作用するロボットの評価に取り組んだ. 本研究開発によって,当初の目的を十分果たせたかは疑問である.しかし,取り組んだ一連の研究は,ロボット工学と認知科学双方に,新たな経験と知識をもたらすものであり,その意味で,有意義な研究開発であったと確信している.
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