研究分担者 |
阿部 純義 筑波大学, 物理学系, 助教授 (70184215)
早川 尚男 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教授 (90222223)
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (90183863)
道下 敏則 京都大学, 総合人間学部, 助手 (00166050)
湯山 哲守 京都大学, 総合人間学部, 助手 (90026815)
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研究概要 |
一様磁場と電位障壁で捕捉された純電子プラズマが磁場方向に一様に分布して案内中心近似が成り立つならば,磁場と自己電場に直交して流れる電子の運動は巨視的に見ると二次元の理想流体と等価であり,渦度が電子密度に流れ関数が等電位面に対応する.このような磁化プラズマを作り,渦相互作用による緩和過程を二次元画像としてとらえ,電磁気学を適用して定量的に解析を進めることが本研究課題の目的である.本年度の最大の目標は,最大2.2Tの強磁場下でこのような現象を展開させる装置を完成することである.第2の課題は,この作業と併行して補助装置において純電子プラズマが秩序構造を自己形成する過程の物理的解明を推進することである.第1の課題に関しては,(1)アルミ製の真空容器の中に軸方向に長短32個の円筒電極を数ミクロンの高精度で並べて,様々な電位分布を形成できるプラズマトラップを完成した. (2)5x10^<-9>Torrより低い高真空下において2.2Tで強く磁化された純電子プラズマの形成と良好な閉じ込めを達成した.現在の閉じ込め時間は数秒であり,残留ガスとの衝突で決まっている.これは真空壁のagingにより更に改善できる見通しである. (3)この装置において予備実験として37本の渦糸を初期分布として与えて,緩和過程において様々な渦結晶が自己形成されることを観測した. 第2の課題については,(1)渦結晶の単位セルの形成過程の理解が大きく進んだ.(2)渦糸間の相互作用で合体と渦対形成の分岐点において鍵となる渦構造の同定に成功した.
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