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2003 年度 実績報告書

小胞体品質管理機構を担う2種の新規分子シャペロンの研究

研究課題

研究課題/領域番号 13308042
研究機関京都大学

研究代表者

永田 和宏  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50127114)

研究分担者 久保田 広志  京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (80332724)
キーワード分子シャペロン / 品質管理 / 小胞体関連分解 / EDEM
研究概要

小胞体品質管理機構には、正しいフォールディングを促進するproductive foldingが行われる他に、もし変性タンパク質が蓄積されると、1)分子シャペロンを合成誘導して、変性タンパク質の再生を促す、2)作っても変性タンパク質ができてしまう状況下では、多くのタンパク質の翻訳を停止して、変性タンパク質の量を減少させる、3)変性したタンパク質を分解処理する、4)アポトーシスによって、変性タンパク質を生じるような細胞ごと死滅させる、という4つの戦略を備えている。
当研究室では小胞体関連分解を通じて、新生タンパク質の品質管理機構に関わる新規タンパク質EDEMの機能解析を進めている。EDEMは小胞体膜に局在するタンパク質であり、Mannose8型糖鎖を特異的に認識すると考えられている。EDEMを導入すると、分解されるべき基質タンパク質(われわれの実験系ではα1アンチトリプシンの変異体NHK)の分解が促進され、この分解がプロテアソームによって担われていることを明らかにしてきた。今年度、我々は、EDEMと部分的に相同性を持つ新規蛋白質のクローニングに成功し、その機能解析を行った。この新規蛋白質は、α-マンノシダーゼ様ドメインにおいてEDEMと約40%のアミノ酸配列相同性を示す小胞体内タンパク質で、小胞体ストレスによる誘導を受けることがわかった。この新規タンパク質は、EDEMと同様にNHKの分解を促進したが、結合したNHK上の糖鎖のパターンはEDEMの場合とは異なっていた。したがって、EDEMとこの新規蛋白質は、異なる糖鎖認識の特異性をもつと考えられた。さらに、この新規蛋白質は、NHK以外にもTCRαの分解も促進したので、様々なタンパク質の品質管理に働いていることが考えられる。以上の結果は、新たな小胞体関連分解促進タンパク質を発見したものである。
また、インスリンフォールディング異常マウス(アキタマウス)膵β細胞株を用いた解析から、チオレドキシンスーパーファミリーに特徴的なモチーフをもち、SH基の酸化還元により品質管理に寄与すると予想されるタンパク質をクローニングした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.OHASHI: "Advanced glycation end products increase collagen-specific chaperone protein in mouse diabetic nephropathy"J.Biol.Chem.. (in press).

  • [文献書誌] J.NOZAKI: "The endoplasmic reticulum stress response is stimulated through the continuous activation of transcription factors ATF6 and XBP1 in Ins2+/Akita pancreatic β cells"Genes Cells. 9. 261-270 (2004)

  • [文献書誌] K.NAGATA: "HSP47 as a collagen-specific molecular chaperone : function and expression in normal mouse development"Seminars in Cell and Developmental Biology. 14. 275-282 (2003)

  • [文献書誌] Y.YAMAZAKI: "Transcriptional regulation of the cytosolic chaperonin θ subunit gene, Cctq, by Ets domain transcription factors Elk-1, Sap-1a, and net in the absence of serum response factor"J.Biol.Chem.. 278(33). 30642-30651 (2003)

  • [文献書誌] N.HOSOKAWA: "Enhancement of endoplasmic reticulum (ER) degradation of misfolded null Hong Kong α 1-antitrypsin by human ER mannosidase l"J.Biol.Chem.. 278(28). 26287-26294 (2003)

  • [文献書誌] S.Yokota: "Prevalence of HSP47 antigen and autoantibodies to HSP47 in the sera of patients with mixed connective fissue disease"Biochem Biophys Res Commun.. 303. 413-418 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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