研究課題/領域番号 |
13308047
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
古市 貞一 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, チームリーダー (50219094)
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研究分担者 |
松木 亨 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (90332329)
佐藤 明 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, チームリーダー (60321767)
吉川 文生 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (70342871)
庄司 敏 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員
友村 美根子 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (30217559)
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キーワード | 小脳 / シナプス形成 / トランスクリプトーム / ディファレンシャルディスプレイ / マイクロアレイ / 遺伝子発現 / 顆粒細胞 / プルキンエ細胞 |
研究概要 |
小脳の分子構築を明らかにする目的で、マウスの小脳発達に関わる遺伝子群に着目して、発達期に特異的な遺伝子発現の体系的な解析を行った。特異的な遺伝子群の検出は、蛍光ディファレンシャル・ディスプレイ法とGeneChipマイクロアレイ法で昨年度までに終了し、約2、500遺伝子の抽出に成功している。今年度は、その体系化(データベース化)と新規遺伝子候補の構造、機能、発現などの解析を行った。データベース化に向けた個々の小脳発達特異的な遺伝子の発達ステージ特異的(時間的)および細胞特興的(空間的)な発現プロファイルをそれぞれRT-PCR法とin situハイブリダイゼーション法で解析した。また、個々の遺伝子の配列から,基づいた注釈(遺伝子機能情報やタンパク質情報、及び文献情報など)の付加作業を行った。現在までに約1/3終了している。これとともに、個々の遺伝子を機能的にクラスタリングする解析を行っており、小脳発達のトランスクリプトーム機構を明らかにする予定である。新規遺伝子の解析については、今年度は7つのクローンについて解析をすすめた。2つのクローンはオリゴデンドロサイトに発達期特異的に発現する遺伝子であることを明らかにした。4つのクローンはタンパク質燐酸化酵素に類似したORFをコードしており、そのうち2つは胎仔脳で発現するSer/Thrキナーゼ候補であり、残りの2つは生後脳に特徴的なAATYK familyのメンバーであることが分かった。最後の1つのクローンは小脳顆粒細胞に特徴的に発現し、プルキンエ細胞樹状突起とシナプスを形成するシナプス前部に分布することを明らかにした。これらの新規遺伝子の脳形成での役割についてさらに解析をすすめる予定である。これまで解析をすすめているシナプス後部のアダプタータンパク質Cupidinについては、シナプス発達に伴ったシナプス後部への移行のタイミングとNMDA受容体複合体との会合について明らかにした。
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