研究課題/領域番号 |
13309001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
早坂 洋史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40142195)
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研究分担者 |
新藤 孝敏 電力中央研究所, 狛江研究所, 部長(研究職)
橋本 好弘 札幌市消防局, 消防科学研究所, 主任研究員
関岡 昇三 (株)関西テック, 技術研究員
木村 圭司 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30294276)
橋場 幸宗 札幌市立高等専門学校, 教授 (00237926)
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キーワード | 森林火災 / 雷 / 着火機構 / 高圧放電 / くん焼 / 衝撃波 / 北方林 / 地球温暖化 |
研究概要 |
高電圧・大電流放電装置による実験を行い、着火機構に関連する現象を明らかにした。放電実験は、本科研費の共同研究者の所属する、電力中央研究所の協力で行った。2002年の実験では、落ち葉と枯れ枝層への放電の結果、ビデオ映像で着火を確認した。この現象をさらに詳しく検討するために、2003年の実験では、放電のノイズに強い、高速度カメラ、サーマルカメラなどでの撮影を行い、詳細に検討した。その結果、実験の結果、3種類の火炎形成、a.放電経路に沿ってのプラズマ発光に伴う火炎。b.床(地上)面の近くの淀み域付近で形成される上向き火炎。c.放電経路の途中に固体面が存在した場合に、固体面裏側で形成される下向き火炎、が確認できた。 今回の放電実験で観測された結果や文献調査などの結果を基に総括すると、着火機構の特徴は以下のようなものであった。1.放電経路がリター層に達すると、リター層内部にプラズマ火球を形成する可能性がある。2.プラズマ火球は、リター層より密度の大きい林床A層などの表面より少し上部の淀み域に形成される。3.高温淀み域では、微細なリターが燃え始め、淀み域の反射波などに同伴されながら、上向きの火炎が形成される。4.同時に、林床A層などの表面より下方側にも、穴の存在やA層の空隙率によっては、下向きの火炎が生じる可能性がある。5.上記の3と4で生じる火炎が、「熱い雷放電」の発生時に、林床のリターなどを着火し、森林火災の発生源となっている可能性があると考えられた。
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