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2001 年度 実績報告書

球形晶析法による難吸収性薬物送達のためのナノ粒子の設計と機能発現の体系化

研究課題

研究課題/領域番号 13309013
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

川島 嘉明  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30082978)

研究分担者 山本 浩充  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (30275094)
竹内 洋文  岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (50171616)
キーワード粉末吸入製剤 / エマルション溶媒核酸法 / プロピオン酸ベクロメタゾン / 経肺投与製剤用溶出試験法 / 難水溶性薬物 / 抗リュウマチ薬 / 原子間力顕微鏡 / ナノ結晶
研究概要

1)粒子サイズと構造制御法の開発と物性評価
難水溶性モデル薬物であるプロピオン酸ベクロメタゾンにエマエルション溶媒拡散法を適用することで、ナノ結晶を調製できること、さらに、同一系内における結晶成長やナノ結晶の造粒が生じることを明らかにした。このとき造粒粒子の形状は系内に共存させる水溶性高分子の種類や調製条件によって、針状から球形にまで粒子形状を制御することができた。種々の形状の粒子の内、多孔性の球形粒子が高い吸入特性を示した。また、肺内での薬物溶出を予測するため、フランツ型セルを用いた経肺投与製剤用in vitro溶出試験法の確立も行った。本装置は、in vivo-i nvitro溶出速度に相関が得られ、肺内での溶出挙動を予測可能であった。ベクロメタゾン造粒粒子はサブミクロンの結晶粒子の集合体によって構成されているため表面積が大きく、結晶表面に吸着した水溶性高分子による濡れ性が改善されることによって、溶出特性が有意に改善された。
2)表面物性制御法と新しい表面物性評価法の開発
トリグリセリドを分散媒とするw/oエマルジョンを経由するエマルジョン溶媒拡散法により、薬物が親水性、親油性に関わらず効率よくナノ粒子内に封入できる調製法の確立に成功した。また、抗リュウマチ薬を封入した粒子をウサギの関節内に注射したところ、サブミクロン粒子であること、表面がポリビニルアルコールで被覆されているため、投与組織全体に粒子が拡がってマクロファージに貪食され、薬理効果を発揮できることが確認された。
原子間力顕微鏡を用いた粒子表面と生体組織との相互作用に記述する方法を開発する研究において、本年は、粒子と粘膜との相互作用力の測定に必要となる粘膜フィルムの作成法を確立した。市販のムチンを超音波照射により微細化し、この懸濁液をガラスプレートで乾燥させることでなめらかな表面のムチンフィルムを得ることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 川島嘉明: "医薬品製剤開発のための粒子設計"ファルマシア. 37. 375-378 (2001)

  • [文献書誌] E.Horisawa, Y.Kawashima, H.Takeuchi, H.Yamamoto, et al.: "Size-Dependency of DL-Lactide/Glycolide Copolymer Particulates for Intra-Articular Delivery System on Phagocytosis in Rat Synovium"Pharmaceutical Research. 19. 132-139 (2002)

  • [文献書誌] E.Horisawa, Y.Kawashima, H.Takeuchi, H.Yamamoto, et al.: "Prolonged Anti-Inflammatory Action of DL-Lactide/Glycolide Copolymer Nanospheres Containing Betamethasone Sodium Phosphate for an Intra-Articular Delivery System in Antigen-Induced Arthritic Rabbit"Pharmaceutical Research. 19. 403 (2002)

  • [文献書誌] 山本浩充, 竹内洋文, 川島嘉明: "医薬品業界における湿式プロセス -サブミクロン化と晶析造粒-"粉体と工業. 33. 39-46 (2001)

  • [文献書誌] 竹内洋文, 山本浩充, 川島嘉明: "吸入剤の粒子設計"粉体工学会誌. 39. 22-27 (2001)

  • [文献書誌] 川島嘉明, 竹内洋文, 山本浩充: "微粒子工学大系"フジテクノシステム. 7 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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