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2001 年度 実績報告書

電波天文観測用8Gサンプル/秒・超高速A/D変換LSIの開発

研究課題

研究課題/領域番号 13354001
研究機関国立天文台

研究代表者

奥村 幸子  国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20224842)

研究分担者 松本 欣也  九州東海大学, 工学部, 講師 (00279382)
近田 義広  国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (30126122)
川口 則幸  国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (90214618)
井口 聖  国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (10342627)
百瀬 宗武  茨城大学, 理学部, 助手 (10323205)
キーワード電波天文学 / 観測装置 / 超高速サンプロング / アナルグ・デジタル変換 / デジタル信号処理 / 大規模集積回路
研究概要

平成13年度は、電波天文観測に必要な性能を有する4-8GHzサンプル/秒・超高速A/D変換LSlの詳細設計を行った。基本構造は、担当である川口、松本を中心に、全員で議論の上、以下のとおりとした。入力されるアナログ信号は2〜8GHz(0dBm以下)とし、これを50ΩのAC結合でLSI回路に入力して、LSI内部で増幅及び7系統(電圧分解能3ビットに設定)に等長配線で等分配し、コンパレータ(比較器)に入力する。各コンパレータには、外部から入力した4-8GHzのサンプリングクロック信号(50Ω;正弦波)がクロックドライバー回路を通して等長配線で入力され、バイアス電圧も外部からの電圧を分圧して設定される。各コンパレータでバイアス電圧と比較された結果の1ビットデジタル信号7本は、エンコーダー回路に入力され、そこで、2ないし3ビットのデジタルデータに変換される。変換されたデジタル信号は、最後にもう一度サンプリングクロック信号と同期をとってクロックとともにLSIの外に出力される。使用するLSIのプロセス技術としては、現在入手可能な技術として、GaAs(ガリウム砒素)とSiGe(シリコンゲルマニウム)を想定した。具体的な回路設計では、あ)サンプリングジッタを10p(ピコ)sec以下に抑えたサンプリング回路の実現、い)閾値の安定化と不定域の縮小(不定域<1LSBの10分の1)、う)2ないし3ビットサンプリング回路の実現、え)各ビットの出力までの時間の均一化(遅延時間差<30psec)、に留意した。これらを踏まえ、プロセスを特定しての回路シミュレーションを実行した。これにより、実際にLSIを製作する前に、現実的な回路の負荷容量を見積もることができ、それを回路遅延パラメータ等に変換することが可能になる。シミュレーションでは、具体的に、上記2つのデバイスについて、a.サンプリング周波数(目標8GHzに対しどこまで上げられるか)、b.信号入力帯域幅(目標4GHzに対しての可能性)、C.データ変換精度(実現可能なビット数、aとのトレードオフの関係について)、について評価を行った。その結果、SiGe(シリコンゲルマニウム)プロセスで上記の超高速A/D変換LSIを構成した場合、サンプリング周波数5GHz(信号入力帯域幅2.5GHz)までは、SN(信号対雑音比)劣化が4dB以下であり、有効データ変換精度2.5ビットを達成した。サンプリング周波数が8GHz(信号入力帯域幅4GHz)になると、有効なデータ変換精度は1.5〜2ビット相当となり、SN劣化も10dB以上に達する。10GHzでは有効データ変換精度が1ビットまで低下することがわかった。現在、GaAs(ガリウム砒素)プロセスについても、同様のシミュレーションを実施中であり、今後はこれらの結果を踏まえ、本研究開発の中心的課題である、実現可能な最高サンプリング速度(あ))とその場合の有効ビット数(う))を予測し、担当である近田を中心に全員で検討して、LSI製作のための最終的な回路構成及びプロセス技術を決定する.

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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