研究課題/領域番号 |
13354004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
宮島 英紀 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70166180)
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研究分担者 |
増田 宏 東英工業(株)磁性課, MDリーダー
齊藤 英治 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (80338251)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 磁気測定 / ナノ磁性 / 走査型顕微鏡 / ホール効果 / マイクロホール素子 / 磁区観察 / 磁場分布 / マイクロマグネティクス |
研究概要 |
本研究で開発する装置は、強い外部磁場のもとで強磁性体の表面磁気構造を高分解能で解像することのできる走査型顕微鏡を開発・試作することである。その結果を要約すると次のようになる。(1)外部磁場:1.5T以下、温度範囲:20K〜室温、最大走査領域:2mm×2mm、空間分解能:0.5μmのホール顕微鏡を完成させることに成功した。空間分解能は設計値に比べて1桁低いことを除けば、所定の性能を備えている。(2)空間分解能が1桁低いのは、現在入手できるホール素子の感磁領域の大きさと磁場感度の限界によるもので、装置自体の問題ではない。感度を上げる場合、GaAs/AIGaAs界面2次元電子ガスを用いた微小ホール素子があるが、機械的に脆弱であることに加え、極めて高価であり、市販用顕微鏡の素子としては適していない。(3)当初の目的と異なってしまったが、Si-MOSFETホール素子を製作した。これはp-Si基板上にホールバー状ゲート電極を有したn-channel型MOSFETてある。ゲート電圧1Vにおいて、当該磁場に対して一定のホール係数0.18Ω/Gを持つこと、安定した動作をすること、機械的に優れていることなどを確認した。しかし、Si-MOSFETを大学の半導体技術で作製することは極めて難しく、歩留まりか10%以下と低い。このため、Si-MOSFETホール素子は実用の域に達していない。(4)永久磁石Sm-Coを用いて、磁区構造の磁場変化を側定することができた。今まで知られていなかった永久磁化種に類した非反転領域が存在することを確認した。(5)以上の成果は、2編の報文論文と5件の口頭発表で報告している。総合的にまとめた論文を用意している段階にある。
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