研究課題/領域番号 |
13354005
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深尾 昌一郎 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30026249)
|
研究分担者 |
平島 弘一 三菱電機, 通信機製作所, 課長(研究職)
山本 衛 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (20210560)
橋口 浩之 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (90293943)
柴垣 佳明 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (00319592)
|
キーワード | 下部対流圏レーダー / 船舶搭載 / 赤道 / 太平洋 / みらい |
研究概要 |
近年世界的に、大気運動の高度プロファイルを連続観測できるいわゆるウィンドプロファイラーをネットワーク展開し、気象予報業務に利用することが積極的に行われ始めている。陸面上の高層風観測については、ラジオゾンデ観測ネットワークに加えて、このレーダーネットワークにより非常に密なデータを取得できるようになったが、海洋上の高層観測データは衛星観測を除いて適当な観測手段がないため非常に不足している。本研究では、船舶搭載型下部対流圏レーダー(Ship Borne Lower Troposphere Radar ; SB-LTR)を開発し、海洋上の大気運動を詳細に観測する手法を確立することを目的とする。 ウィンドプロファィラー観測においては鉛直方向を観測することから、アンテナ面を水平に保つことが本質的に重要である。船舶に搭載する場合にはたとえ停船中であっても波の影響により船体が数秒程度の周期で揺れることが問題となる。今年度は、GPS方位センサー・傾斜計で得られる情報から、船舶の移動方向・速度・加速度などの値を計算し、レーダーで取得されたデータをリアルタイムに補正する手法を検討した。その結果、ハードウェアの改造を最小限に留め、ソフトウェア処理により補正する方法を採用することを決定した。来年度に実際のソフトウェア開発を行う。 並行して、ミリ波レーダーとの試験観測を含め、海洋上の試験観測計画について、最も効果的な観測を行える地域、時期を検討するための調査を実施した。その結果、平成16年2〜3月に赤道太平洋上への航海が予定されている、海洋科学技術センターの「みらい」に搭載し、インドネシア共和国西スマトラ州に設置されている赤道大気レーダーとの共同観測を行うことを決定した。
|