研究課題/領域番号 |
13354008
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 清語 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10127152)
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研究分担者 |
秋山 公男 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10167851)
大庭 裕範 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10176985)
手老 省三 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80111318)
鈴木 洋介 キーコム株式会社, 開発技術部部長
岩崎 洋平 東北大学, 多元物質科学研究所, 研究機関研究員
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キーワード | 高周波ESR / パルスESR / WバンドESR / 電子スピン共鳴法 / ESR装置 / 励起高スピン状態 / 金属錯体 / 電子励起状態 |
研究概要 |
本年度はブリッヂの製作、周辺機器の準備などを行った。その実績は以下のようにまとめられる。 1.バンドパルスESR装置の最も重要な部分であるマイクロ波ブリッヂを研究分担者キーコムの鈴木氏とともに設計して、一応の完成をみた。ここでは、π/2パルスの先鋭化(20ナノ秒)を狙って、マイクロ波最大出力を250mWと設定した。これは、市販のWバンド装置の実に50倍の出力である。その他、最小パルス幅:10ナノ秒、最大パルス幅:無限大、最小パルス間隔:10ナノ秒、cwモードを含む3チャンネル、中心周波数:94.9GHz、線幅:2KHzなどの性能を持っている。 2.光導入のための外径1mmの光ファイバー付きサンプルホルダーを製作し、cw装置でフラーレン励起三重項の信号が観測できることを確認した。しかし、信号強度を更に上げるためには、ファイバーをさらに細い0.5mm程度にして、サンプル管に出し入れする必要がある。サンプル管についても検討を行い、当研究所のガラス工場と共同で、溶媒に合わせて種々の太さの管を作る技術を確立した。 3.マイクロ波のパルス系列を作るために3台のパルスジェネレータを購入し、種々のパルス系列の作成について検討した。その他、パルスブリッヂのcw装置との接続、周辺機器との接続と配置、データ処理などについても検討を行った。 4.高周波ESR実験の感触をつかむために、cw装置を用いて0-6Tに渡る広範囲の磁場の掃引、4-300Kの広範囲の温度制御、200ナノ秒の時間分解信号の観測などを行いそれらに成功した。
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