研究分担者 |
秋山 公男 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10167851)
大庭 裕範 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10176985)
手老 省三 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80111318)
鈴木 洋介 キーコム株式会社, 開発技術部, 部長(研究職)
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研究概要 |
従来のEPRに比べて高スペクトル分解,高時間分解が可能なW-バンドマイクロ波を用い,フーリェ変換,スピンエコーによる核変調効果,スピン緩和,電子-電子二重共鳴などの測定をするための高周波(95GHz)パルスEPR装置を試作した.以下の装置を組み立て,初めて高周波FID信号の観測に成功した.さらに,光導入部に関しても、大きな改良を加えた. 1.サンプルホルダー内のファイバーを稼動化することによって,ファイバーをサンプルチューブ内まで導入することを可能にした.これによって、光照射の効率を一桁向上させることができた.さらに、脱気サンプルチューブに効率よく光を導入させる方式を確立した. 2.装置の信号増幅器を、6MHzから150MHzに変えることによって、装置の時間分解能を150ナノ秒から20ナノ秒へと高速化することができた.また2つの増幅器の切り替え回路も作製した. 3.パルスブリッジによる共振器の共振モードを観測するために,周波数掃引装置およびQuadrature検出信号の絶対値演算回路を試作した.周波数を掃引した場合,共振器からの反射波の位相変化のためにベースラインが大きく変化して共振を示すQ-DiPを観測できないが,反射波の絶対値を取ることによってこれを容易に観測できるようになった. 4.パルスブリッジの電源回路制御装置を製作して,ブリッジ電源部の制御を容易にした. 5.ブリッジテスト用の簡易型パルス発生器を試作し,これを用いてMgOに希釈したMn^<2+>イオンの高周波EPR信号をFIDで観測することに成功した.250mWのパルス出力で,90°パルス幅は20ns以下であった.これは市販の装置の100-150nsよりもはるかに短い. 6.本装置では,異なる周波数のマイクロ波を照射することも可能である.
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