研究課題/領域番号 |
13355004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 収 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (90192674)
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研究分担者 |
井上 康志 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教授 (60294047)
セカット ズヘア 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80314376)
小山田 正人 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30183255)
田名網 健雄 横河電機(株), バイオ計測研究室, 室長
杉浦 忠男 奈良先端大学院大学, 情報システム学専攻, 助教授 (60304010)
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キーワード | 光造形 / フェムト秒レーザー / 近赤外 / ティシューエンジニアリング / 光硬化性材料 / 生体組織 / 癌細胞 / 心筋細胞 |
研究概要 |
前年度に試作した光造形装置を改良することにより、サブミリメートルの大きさをもつ生体組織構造の造形を行った。改良内容としては、対物レンズを長作動距離,低倍率をもつものに変更し、また深さ方向の走査ステージの走査範囲をより大きくした。その結果、上記の大きさの構造体をサブミクロンの空間分解能で造形することに成功した。造形材料としては、光重合性ゼラチンおよび光硬化性樹脂を用いた。また光照射残度、時間、波長等は前年度に最適化した値を用いた。造形した構造体上にラット心筋細胞、またはヒト癌細胞を培養することにより、立体構造上における細胞の培養に成功した。また、ラット心筋細胞においては、構造に依存した細胞形態が発達する様子を、細胞骨格であるアクチン繊維を染色し蛍光観察することで確認した。また、細胞間コミュニケーションを司るギャップジャンクションを形成するタンパク質が細胞形態に依存して発現することが見いだされた。今回作成した組織構造内に培養可能は細胞数は前年度ものにくらべて約50〜100倍であり、その結果として細胞間コミュニケーションのより強い確立の様子が観察できたと考えている。また、ヒト癌細胞の培養の際には、足場構造の空間ピッチを5μm〜30μm程度に変化させることで、細胞形態の変化を観察した。約5〜10μmの構造上では、細胞の形態が構造の形状を著しく反映し、それ以上の大きさをもつ構造では、従来の培養法と相違ない結果が得られた。
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