研究概要 |
研究代表者らが発明した二酸化炭素の高効率海洋固定装置(日本国特許第2655818,米国Patent No.5662837,日本国特許第2958460)を高効率化・高機能化して,低純度二酸化炭素ガスにも適応可能なシステムとして実用化するための要素技術を確立することを目的とする. 気泡乱流の大規模構造(R.Mudde & T.Saito : Hydrodynamic similarities between bubble column and bubbly pipe flow, Journal of Fluid Mechanics, Vol.437,PP.203-228,2001)と大口径管実験に基づいて,大口径管による低純度二酸化炭素ガスを対象とした海洋固定システムの特性を明らかにした(Takayuki Saito, et al. : Pumping Characteristics of a Large-scale Gas-Lift Pump-Basis Experiments for developing Gas-Lift System Sequestrating CO_2 at Deep Sea-, Experimental Thermal & Fluid Science Journal,2003,掲載予定).さらに,同システムから排出される二酸化炭素溶解海水の酸性度を予測し,pHが6.5以上の運転が可能であること(海洋生態系に影響がないこと)を示した.これにより,実用化可能な要素技術を開発したものと判断する. さらに,今後の研究の進展に必要不可欠な計測ツールである「光ファイバープローブ」による気泡径・気泡速度計測の高精度化技術を確立した(齋藤,梶島:光ファイバープローブによる気泡計測に関する研究(第2報,気泡速度と弦長の同時計測,日機論B編,Vol1.68,No.674,pp.2719-2725,pp.2719-2725,2002および土屋,石田,齋藤:光ファイバープローブを用いた気泡計測の信頼性評価,化学工学論文集,2003,掲載決定).また,数値解析については,分散粒子から放出される渦構造をDNSにより解析する手法を確立した(T.Kajishima, et al. : Interaction between particle clusters and fluid turbulence, International Journal Heat and Fluid Flow, Vol.23,No.5,pp.639-646,2002). 提案する上記二酸化炭素の海洋固定システムに適する二酸化炭素の分離回収技術が存在しないことから,研究代表者が発明した新しい分離・回収方法(ガスハイドレートによる分離・回収方法と気液二相流構造に基づく分離・回収技術)の米国特許が認められた(T.Saito & F.Kiyono : Method of Separating and Recovering Carbon Dioxide from Combustion Exhausted Gas and Apparatus Therefor,6,372,023B1,2002.4.16).
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