研究課題/領域番号 |
13355012
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石井 彰三 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(電気電子工学専攻), 教授 (40016655)
|
研究分担者 |
今西 雄一郎 日本碍子株式会社, 開発センターパワエレPJ, マネージャー
井深 真治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(電気電子工学専攻), 助手 (70262277)
安岡 康一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(電気電子工学専攻), 助教授 (00272675)
清水 尚博 日本碍子株式会社, 開発センターパワエレPJ, サブマネージャー
|
キーワード | 半導体パワーデバイス / パルス磁界 / キャリア密度 / キャリア寿命 / pinダイオード / デバイスシミュレータ |
研究概要 |
本研究はパワーデバイスの動作解析や特性評価において、キャリアの挙動に対してスイッチ時の電流により発生する磁界の影響、あるいは外部磁界の効果を取り入れるという、新しい手法と概念を導入することを提案するものである。 本年度は、第一に、磁界が加わった半導体中の光キャリアの挙動解析を進めるため、パルスNd : YAGレーザの半導体チップヘの照射系を構築し、パルスレーザによる高速光励起キャリアの発生システムを構築した。また、磁界発生手法については、強磁束の永久磁石対およびパルス電源を用いたパルス磁界発生装置を製作し評価に使用した。 第二に、パワー用pinダイオードチップを用いて、キャリアの空間分布、キャリアの寿命等の測定を行った。キャリアの時空間分解測定には既設の赤外域プローブレーザ光を使用したが、半導体内部の電流路解析に必要な空間分解能は数10ミクロンと設定し、これを実現するために精密位置決め装置等によりの光学系を整備した。空間分解能は40ミクロン以下となり必要な精度が得られた。同時にデバイスシミュレータ結果と比較検討することで、本計測システムの精度が高いことを確認した。さらに、pinダイオードにパルス大電流を高密度状態で通電し,外部磁界がオン特性に及ぼす影響を実験的に調べた。通電電流密度が大きい場合は,磁界を加えるとPinダイオードの電流波形に変化が見られ、この結果をからpinダイオードのオン抵抗は磁界を加えることで増加することがわかった。この原因は,pinダイオード内のキャリア密度分布により解析され、磁界の印加によって働くローレンツ力方向に、キャリアが空間的に偏ることが原因であることを突き止めた。 第三に、磁界によるpinダイオードのオン抵抗増加の要因を物理的に検討し,キャリア密度分布の空間的な偏りは等価的にデバイス内の電流経路断面積の減少につながるというモデル化を進め、一次元計算コードの開発に必要な基本的方針を固めた。
|