研究課題/領域番号 |
13355015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30134638)
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研究分担者 |
齋藤 敏夫 国際産学共同研究センター, 助手 (90170513)
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10183097)
黒田 和男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107394)
小野村 正明 (株)東芝研究開発センター, 個別半導体板技術ラボラトリー, 研究主務
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キーワード | 微小共振器 / 量子ドット / 窒化ガリウム / 面発光LED / 面発光レーザ / MOCVD / 結晶成長 / デバイスプロセス |
研究概要 |
本研究では、次世代の光記録用青紫ガリウムナイトライド微小共振器型面発光レーザの開発研究を進めている。重点研究項目は(1)量子ドットの形成技術の開拓(2)電流注入可能な共振器構造の製作(3)デバイス特性の評価である。本年度は特に量子ドットの形成技術の確立と垂直微小共振器型InGaN LED構造を試作し、その特性について評価検討した。 両氏ドットについては、MOCVD法を用いて6H-SiC基板上に成長したAlN上へのGaN量子ドットの結晶成長および光学評価について研究を行った。GaN量子ドットの成長条件の最適化をはかるとともに、ドットの密度や寸法をかなりの程度まで制御することが可能であることを示した。さらに、光学特性を明らかにし、分極効果が顕著であることなどが示された。 電流注入可能な共振器構造の実現をめざして、Siドープn-GaN/n-AlGaN DBR、InGaN量子井戸活性層、Mgドープp-GaN層からなる素子は常圧MOCVD法でc面サファイア上に作製した。導電性と高い反射率を兼ね備えたn-DBRの作製は本研究の主要な成果のひとつであり、この素子でも95%以上の反射率が得られていることを確認している。塩素プラズマでエッチングしたn-DBR表面にn型電極(Al)を、p-GaN上にNi/Au電極を形成した。 エレクトロルミネッセンス(EL)測定の結果、DBRの反射率スペクトルを反映した変調が確認された。同条件で作製したInGaN量子井戸サンプルのフォトルミネッセンス(PL)スペクトルと比較すると、発光ピーク線幅が明瞭に狭隘化している。p型電極構造の最適化と誘電体多層膜ミラーの利用によって、より高いQ値の微小共振器構造が作製可能であると期待される。電気的特性は通常のLEDに比べ高抵抗であったが、n-DBR単体での縦方向伝導特性を測定した結果、その主な要因は電極・半導体界面にあると推定された。エッチングプロセス条件の最適化を含めた界面状態の制御が重要である。一方p型電極に関しては、透明導電材料を利用することでより効率的に発光を取り出せる可能性があり、現在検討を進めている。
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