研究課題/領域番号 |
13355017
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
三木 哲也 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60272762)
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研究分担者 |
來住 直人 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10195224)
河野 勝泰 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90017418)
中嶋 信生 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (70323889)
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キーワード | 光アクセス / 光電変換 / 光無線 / 無電源化 / 光電力給電 |
研究概要 |
本研究計画の目的は、無線LANを用いた複数端末と1箇所の基地局からなる光ファイバ無線アクセス方式において、ノード局からレーザ光を光ファイバで基地局に伝送し、これを光電変換して給電を行うことによって基地局の外部電源を不要とするシステムの試作・評価である。今年度は、昨年度の要素技術に関する基本的な検討を踏まえたシステム実験を行った。 ノード局から基地局への下り回線光信号は、無バイアス動作可能な単一走行キャリアフォトダイオードを用いることによって効率良く無線信号に変換され、2.45GHz帯無線LANに伝送可能なことがわかった。 無線LANからの上り回線電気信号は電界吸収変調器を駆動し、『ノード局から供給される上り回線用のキャリア光を変調するために用いられる。その際の変調器のバイアス電圧は、やはりノード局から供給される給電光の光電変換によって得られるが、光電変換デバイスとしては、2直列4並列または4直列2並列のフォトダイオードアレーが最適であり、小電力でありながら電界吸収変調器のバイアス供給には十分であり、外部電源を不要とすることができた。さらに、変調器のバイアスと整合条件の最適化によりバイアスに必要な電力を低減することができ、余剰電力を無線信号用の低雑音増幅器駆動に利用することにより、無線リンクの損失を11dB改善できた。なお、この給電光を用いた光信号のラマン増幅については、実験で用いた4km程度のノード局と基地局間距離では、ほとんど効果がないことが判明したが、距離が10kmを越えた場合にはラマン利得による損失補償の効果が出る可能性もあり、今後の検討課題とする。 また、基地局におく電界吸収変調器として、アンテナと一体化した構造のものを開発中で、これを用いたシステム実験を現在計画中である。
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