研究分担者 |
藤野 陽三 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20111560)
山田 健太郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50109310)
市川 篤司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
山田 均 横浜国立大学, 大学院・環境情報工学院, 教授 (00143735)
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 教授 (30029334)
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研究概要 |
本研究の成果を検討項目ごとに以下にまとめる. (1)疲労損傷のデータベースの構築:本研究では、これまでの疲労損傷に対する補修・補強対策の実績とその効果などについてデータベースを構築し、インターネット上に公開した。 (2)橋梁の疲労損傷・破壊挙動の検討:本研究では、鋼種を変えた実大桁試験体を用い,主に,面外ガセットおよび鉛直スティフナ溶接継手部疲労試験を実施した。本研究では特に,疲労強度向上および既存構造物の補強手法として,低温相変態溶接棒の付加溶接に着目し,その効果を検証した. (3)レトロフィッティングの方法とその効果の検討:既設鋼橋梁で問題となる面外ガセット継手部の溶接補修方法として,グラインダ仕上げ方法,ボルト締めストップホール法,低変態温度溶接材料を用いた付加溶接などの効果について検討し,その疲労強度向上効果を定量的に示した. (4)橋梁構造の疲労損傷の予測システム:予測システム構築のため,疲労損傷とその原因の関係について詳細に検討した.FEMによる構造解析と橋梁にセンサを取り付けたモニタリングシステムにより,支承の固着や活荷重の作用に伴う橋梁の3次元的な変形挙動,過積載車の通行,振動特性などが,疲労損傷の発生要因となっていることを示した. (5)既設構造物の材料特性判定方法の開発:本年度は,既設橋梁の溶接補修の可能性について,ラメラティア発生可能性に着目して材料特性面から検討し,鋼材に含まれる硫黄成分が0.01%以下である必要があることを示すとともに,橋梁の竣工年と鋼材に含まれる硫黄成分との関係を明らかにし,コアを抜き取る前の溶接補修可否の判断の目安も提案した. 以上の検討を踏まえて,効率的な点検手順,疲労度診断など維持管理支援プログラムの提案を行った.
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