研究課題/領域番号 |
13355027
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 正治 京都大学, 工学研究科, 教授 (90029108)
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研究分担者 |
村上 敬 産業技術総合研究所, 機械システム研究部門, 研究員
鉄井 利光 三菱重工業株式会社, 長崎研究所, 主任
伊藤 和博 京都大学, 工業研究科, 助手 (60303856)
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キーワード | TiAl基合金 / ラメラ組織 / 一方向凝固 / 拘束付き圧縮試験 / 破壊応力 / 変形モード |
研究概要 |
TiAl基合金の最大の弱点は、常温延性の乏しさにある。しかし、我々は、TiAl基合金に特有のγ(TiAl)相とα_2(Ti_3Al)相からなるラメラ組織の界面を荷重軸に沿うよう揃えれば、軸方向荷重に対して延性と強度を両立させ得ることを発見し、このような組織制御を可能ならしめる一方向凝固(DS)プロセスとDSプロセスに適合するDS合金の開発をつづけ、DSプロセスに関する実験室レベルの技術をほぼ確立するに至った。本年は、主として複雑な応力環境下で使用されるDS材を想定し、DS材の強度/延性におよぼす軸応力以外の応力成分の効果を明らかにするための拘束付き圧縮試験を行った。具体的には、圧縮軸とラメラ組織方位をさまざまに変えた試験片に、試験片の側面を拘束することによって圧縮軸に垂直に応力をかけ、圧縮軸とラメラ組織界面の相対方位をさまざまに変えた試片について圧縮応力-ひずみ曲線をとり、変形応力と破壊ひずみにおよぼす拘束の効果を明らかにすることを試みた。その結果、拘束の効果は非常に大きく、方位によっては降伏応力、破壊応力共に著しく上昇し、圧縮試験ではあるが数GPaに近い破壊応力を示すことが明らかになった。さらに、拘束下でのみ活性化する変形モードも明らかになり、拘束を考慮した弾塑性解析の結果ともよく一致することが明らかになった。
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