研究課題/領域番号 |
13355031
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡本 健一 山口大学, 工学部, 教授 (20029218)
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研究分担者 |
吉野 真 山口大学, 工学部, 助手 (60311817)
田中 一宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30188289)
喜多 英敏 山口大学, 工学部, 助教授 (10177826)
近藤 正和 三井造船(株), 技術本部・主幹研究員
楠木 喜博 宇部興産(株), 研究開発本部, 主席研究員
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キーワード | 膜分離 / ゼオライト膜 / 分子ふるい炭素膜 / 浸透気化分離 / 気体分離 / ナノテクノロジー / ミクロ多孔体 |
研究概要 |
本研究では分子ふるい炭素やゼオライトのナノ細孔を利用した高性能なミクロ多孔体膜分離プロセスを開発することを目的として、1)比較的低温で熱分解しやすいスルホン酸基含有フェノール樹脂やポリイミドを前駆体とする炭化膜の最適製膜条件の検討、2)オレフィン/パラフィンの高度分離を目的とした非対称中空糸ポリイミドを前駆体とする炭化膜の検討、3)エタノール高選択透過性のシリカライト膜の創製を目的とする多孔質支持体上への水熱合成条件の検討をおこなった結果、以下の成果を得た。 1)比較的低温で熱分解しやすいスルホン酸基含有フェノール樹脂やポリイミドを前駆体とした場合には従来の炭化膜の焼成温度以下で高分子骨格の分解に先立ってスルホン基が分解することによりフレキシブルで十分な強度の自立膜が作成でき、膜性能もこれまでの炭化膜に匹敵する性能を有することが分かった。 2)BPDAと3種の芳香族ジアミンからなるBPDA系ポリイミド非対称中空糸膜を前駆体とし、400℃30分空気中で処理を行った後、窒素中5℃/分で焼成温度500〜700℃まで昇温し炭化膜を作製し、オレフィン/パラフィンガス分離特性を調べた。FE-SEM写真によれば、600℃炭化膜ではノジュールが融着した構造をしておりスキン層は200nm程度であった。この中空糸膜の非対称構造は炭化処理後も保持されていることが分かった。600℃炭化膜におけるプロピレンのパーミアンスR_<C3H6>は50GPUで分離係数α_<C3H6/C3H8>は13〜15と優れた分離性能を示した。 3)シリカライト膜では従来法で合成した膜に比べ大幅に透過流束が改善されエタノール/水(5/95wt%)混合液に対して60℃で透過流束1kg/m^2h以上、分離係数80以上のゼオライト膜の合成が可能になった。
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