研究課題/領域番号 |
13355032
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三浦 則雄 九州大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (70128099)
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研究分担者 |
石原 達巳 大分大学, 工学部, 助教授 (80184555)
山添 昇 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40037817)
寺岡 靖剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (70163904)
瀬戸口 稔彦 三菱重工業(株), 長崎研究所, 主任(研究職)
正宝 敏貴 麻生セメント(株), 中央研究所, 研究員
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キーワード | 混合誘導体 / ペロブスカイト / メンブレンリアクタ / 酸素透過膜 / 環境浄化 / メタン部分酸化 / NO_X分解 |
研究概要 |
本年度は、提案している電気化学システムの各工程の検討を行い、以下のような結果を得た。 1)BサイトにCoを含まないYb-Ba-(Cu,Ni)-Fe系ペロブスカイト酸素透過膜材料の検討を行い、置換量を制御すれば室温で立方晶構造を安定化できること500℃程度から酸素透過能が発現することを見出した。2)La-Sr-Co-Oの多孔質支持体の作製と評価を行った結果、RHP法による1100℃焼結により、約1μmの均一な孔を有する支持体が作製できることがわかった。また、吸引コート法などによる緻密膜作製を試みたところ、膜厚1μmの比較的緻密な膜を形成できた。3)La_<0.1>Sr_<0.9>Mn_<0.1>O_3は酸素透過性と耐還元性を併せ持つ材料で、メタンによるNO還元メンブレンリアクタ用材料として優れた特性を示すことを見出した。また、SrFe_<0.6>Mn_<0.4>O_3などは従来知られているLSCF系と遜色ない酸素透過能を示すこと、Ba-Co-Fe-O系をベースとするペロブスカイトは最高水準の酸素透過能を示すことがわかった。4)LSGF用酸素解離触媒としてLa_<0.1>Sr_<0.9>Fe_<0.1>O_3またはLa_<0.5>Sr_<0.5>CoO_3が有効であることを示した。LSGFはイオン輸率が0.5と大きいため、電気化学的な酸素ポンプと併用するとさらに大きな酸素透過速度が達成できた。また、La-Fe-(Sr, Sc)-O系が比較的良好な酸素透過能を示すことがわかった。5)La-Sr-Mn-O系材料を支持管として、La-Sr-Co-Fe-Oで水を分散媒としたスリップを作製してスラリーコート法により成膜を試みたところ、ある程度の厚膜の作製が可能であった。6)メンブレンリアクタのシステム設計に反映するため、種々の酸素分離技術の現状,用途,競合技術および要求性能などを調査した結果、本提案システムはかなり有望な技術であることがわかった。
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