研究課題/領域番号 |
13355036
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
茂里 一紘 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90011171)
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研究分担者 |
岩下 英嗣 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60223393)
土井 康明 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10134454)
小瀬 邦治 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40034409)
陸田 秀実 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80273126)
山田 忠史 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80268317)
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キーワード | 国際物流 / 東アジア / 輸送ネットワーク / 輸送機器 / 荷役システム / HSV / 性能試験 |
研究概要 |
本研究は、貨物量の増大が顕著である東アジア地域の物流に注目し、その最適な輸送システムを提案するものである。本年度は、東アジア地域の物流の現状把握に努めるとともに、国際貨物輸送の中心である海上コンテナ輸送の解析ツールの開発を試みた。また、新規の輸送機器(VX)の導入については、その設計コンセプトと基本性能を検討した。本年度の検討項目と成果を要約すると、次のようになる。 (1)日本-東アジア間の物流の現状を総合的に調査し、その特徴・問題点を抽出した。海上輸送においては、コンテナ化と船舶の大型化が進展しており、港湾間の国際競争が激しいこと、国際物流の動向を的確に捉える計算ツールが必要であることなどを確認した。 (2)国際海上コンテナ流動モデルの構築を試みた。特に、そのサブモデルである埠頭荷役システム最適化モデルについては、港湾での船舶の動態を待ち行列理論を用いて表現する理論モデルと、待ち行列シミュレーションにより表現するシミュレショーンモデルの双方を開発し、高性能なガントリークレーンの活用や港湾EDIの導入が有効であることを確認した。 (3)輸送コストの観点からVXの特性を検討した。商品の減価償却率や輸送距離によって、船舶や航空機に対してVXが有利となる速度が大きく変化することを示した。 (4)新規輸送機器として、速度・運搬量の視点からHSVに注目し、1.5m模型を製作して、静水中や波浪中の性能試験を実施した。その結果、静水中での造波抵抗の減少とともに、波浪中おいては抵抗増加が負に転じる、すなわち推力が発生する周波数領域があることを明らかにした。境界要素法ベースの数値計算によってもこの事実は確認され、今後、新規輸送機器の初期設計ツールとして利用できることを示した。また、水槽試験によって、双翼の干渉影響について検討した結果、干渉影響により翼の揚力性能が5%程向上することが明らかになった。
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