研究課題
牛乳、馬乳、ヤギ乳に含まれるアミノ酸オキシダーゼについて研究を行った。本酵素はアミノ酸を基質として過酸化水素を発生させる。アミノ酸の減少と過酸化水素の発生が酵素活性の指標となる。1.アミノ酸の分解(アミノ酸分析計を用いた定量した)乳脂肪とカゼインを除いた乳に既知量のアミノ酸を加えて37度で1、4、24時間反応させた。すべての動物種の乳においてアスパラギン酸の減少が認められた。しかし、アミノ酸オキシダーゼに特有な基質特異性認められなかった。2.過酸化水素の発生過酸化水素を分解して発色させる酵素法で過酸化水素の発生は測定できなかった。感度を上げるためルミノメーターを用いて発光により測定する方法を用いた。分子量18万と2万の画分で過酸化水素の発生が認められた。和牛の乳で特に高い活性が認められた。結論.反芻家畜の乳では非反芻家畜のそれと異なりアミノ酸オキシダーゼは存在しなかったが、全く異なる酵(未知)の働きで過酸化水素を発生していることが判明した。分子量18万の画分に存在する酵素は泌乳の時期が異なると大きく変動したが分子量2万の画分はほぼ一定していたことから指標として使用できることが判明した。反芻家畜の乳房で過酸化水素を発生する機序を解明する糸口が見つかった。
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