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2002 年度 実績報告書

味細胞株樹立の技術設計および味覚工学創出の基盤解析

研究課題

研究課題/領域番号 13356008
研究機関東京大学

研究代表者

阿部 啓子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10151094)

研究分担者 反町 洋之  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10211327)
榎森 康文  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60160389)
海老原 敏  国立がんセンター, 東病院, 院長(研究職)
塚本 義則  株式会社ミツカングループ本社, 中央研究所, 所長(研究職)
中尾 政之  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90242007)
キーワード味蕾細胞 / 初代培養 / 味覚 / 遺伝子導入
研究概要

ラット味蕾細胞の初代培養系を確立するため、舌から味蕾をどのような条件で分離するか、シャーレにいかにして接着させるか、培養液は何が最適かの3点について検討した。その結果、味蕾を分離する酵素はコラゲナーゼとエラスターゼの併用が最適であると結論した。接着に関しては、味蕾細胞は単離後、球状の形態をとるためプラスチック(あるいはリジンコートしたガラス等の)シャーレに直接接着しないため、マトリジェルを試みたところ、良い結果が得られた。培地についてはケラチノサイト用のmKGM培地が適しているという結果を得た。このような条件で少なくとも一週間の初代培養が可能となったので培養味蕾細胞の諸性質を検討した。培養味蕾細胞をトリパンブルー(死細胞)とニュートラルレッド(生細胞)染色を行うと、ほとんどが生細胞であることが確認できた。また、培養細胞の形態観察とともに味蕾特異的な分子群(レセプター、Gタンパク質、PLCβ2、サイトケラチン類など)の発現をin situハイブリダイゼーションや抗体染色で観察したところ、ほとんどの細胞はサイトケラチン8陽性で、そのうち10%程度の細胞はPLCβ2を発現していた。しかもPLCβ2発現細胞の約半分はガストデューシンも発現していた。このような分子の発現状態はin vivoの味蕾細胞のそれらと同様であることから、培養味蕾細胞はネイティーブの味蕾細胞を反映していることが明らかになった。次に培養細胞に遺伝子を導入した。導入方法としてアデノウィルス感染法を用いたところ約90%以上の細胞に遺伝子が導入された。次に、味覚レセプターと構造的に近縁のα1-アドレナリンレセプターを導入したところ、培養細胞の膜上に発現し、しかもノルエピネフィリー添加によって細胞内カルシウム濃度上昇が観察された。本研究は世界で初めて味蕾の初代培養に成功したものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Okada, S.: "Aquaporin-9 is expressed in a mucus-secreting goblet cell subset in the small intestine"FEBS Lett.. (in press).

  • [文献書誌] Kishi, M.: "Identiflcation of b and g subunits of laminins localized in the basement membrane of rat circumvallate papillae"Biosci.Biotech.Biochem.. (in press).

  • [文献書誌] Endo, Y.: "DNA microarray analysis reveals drastic changes in gene expression profile of rat liver in response to dietary protein"J.Nutr.. 132. 3632-3637 (2002)

  • [文献書誌] Kishi, M.: "Changes in cell morphology and cell to cell adhesion induced by extracellular Ca2+ in cultured taste bud cells"Biosci.Bitotech.Biochem.. 66. 484-487 (2002)

  • [文献書誌] Matsmoto, I.: "A comparative study of three cranial sensory ganglia projecting into the oral cavity : in situ hybridization analyses of neurotrophin reseptors and thermosensitive cation channels"Mol.Brain.Res.. 93. 105-112 (2001)

  • [文献書誌] Ishimaru, Y.: "An actin binding protein, CAP, is expressed in a subset of rat taste bud cells"NeuroReport. 12. 233-235 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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