研究課題
基盤研究(A)
現在、10万を超える種々の化学物質の多くが、その毒性情報が不明のまま環境中に放出されている。そこで本研究では、種々の化学物質による影響を、鋭敏かつ迅速に検出する毒性評価法を確立することを目的に、先ず、環境汚染の原因となるダイオキシン類等、種々の有害化学物質の毒性発現に関与すると考えられる、Aryl Hydrocarbon Receptor(AhR)、転写因子Nrf2、Peroxisome Proliferator Activated Receptor α(PPARα),Transthyretin、Serum amyloid P component(SAP,Apcs)、Src等の遺伝子を改変したマウスを利用して、有害化学物質の毒性発現機構を解析した。そして、種々の有害化学物質の毒性発現に、共通して重要な関与をすると考えられる遺伝子を改変したマウスの毒性評価への応用の可能性を検討し、以下の成果を得た。1)マウス肝癌細胞株を用い、既存のどのバイオアッセイ法よりも感度、所要時間、コストの面で優れた、種々のダイオキシン類の新しいバイオアッセイ法(DRESSA法)を確立した。さらに、毒性評価への応用を目指し、この方法で用いた組換えDNAを運ぶ、トランスジェニックマウスを作製した(前田)。2)ダイオキシンへの周産期曝露によるマウス胎仔脳の遺伝子発現変化を、DNAマイクロアレイ法で、網羅的に解析し、発現が変化する遺伝子群を見出した(鏡、前田)。3)第1相、第2相解毒反応の、それぞれの統一的な制御因子であるAhRとNrf2の遺伝子改変マウスの毒性評価への応用の可能性を検討し、Nrf2欠損マウスは,アセトアミノフェンに対する感受性が顕著に上昇していることを見出した。また、AhRの抑制性因子であるAhRR欠損マウスを作製し、メチルコラントレンに対する応答を調べ、第一相酵素群の誘導が過剰になっていることを見出した(山本)。4)PPAR α欠損マウスを解析し、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルの生殖・発達毒性発現に、PPAR αが深く関与していることを示唆する結果を得た(那須)。5)甲状腺ホルモン高感受性者の遺伝的解析を行い、感受性遺伝子座位を3番及び、4番染色体に特定した(小泉)。
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