インターネットを利用した臨床研究、疫学研究の症例登録・割付、データ収集システムは既に実用化されているが、病院情報システムに蓄積されたデータを自動的に転送する機能がないために、医師がデータを再度手で入力し直しており、労力がかかる上、データの打ち間違い等が発生していた。本研究は、病院情報システムからの自動転送を実現するためのシステムの開発を目的としており、今年度はシステムの基本設計、通信内容の策定、ソフトウエアの設計等を行った。システムの基本的な構成は、(1)データセンターのサーバ、(2)各医師の利用する端末のWWWブラウザー、(3)病院情報システムとCORBAインターフェイスとのゲートウエイ(CORBA-HL7ゲートウエイ)、(4)CORBAインターフェイスとHTTPのゲートウエイ(HTTP-CORBAゲートウエイ)、(5)病院情報システムサーバの5つとした。データセンターサーバから指定されたXML形式で指定された必要データを、ブラウザーがHTTP-CORBAゲートウエイ及びCORBA-HL7ゲートウエイを介して自動取得して、データセンターサーバに返す方式を採用した。尚、実際にソフト開発が必要なのは、(1)及び(4)の部分である。 HTML及びXMLを用いて、HTTP-CORBAゲートウエイとWWWブラウザー間及びデータセンターサーバとWWWブラウザー間の通信内容の策定を行った。更にJAVA言語による開発を想定して、HTTP-CORBAゲートウエイのソフトウエアモジュールの仕様及び必要なクラスライブラリーの設計を行った。
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