研究課題/領域番号 |
13357008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
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研究分担者 |
古市 泰宏 (株)ジーンケア研究所, 所長(研究職)
清水 忠道 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70260396)
澤村 大輔 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60196334)
増永 卓司 株式会社コーセー研究本部, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 創傷治癒 / 表皮水庖症 / 栄養障害型 / 重症 / VII型コラーゲン / 蛋白補充 / 遺伝子導入 / 表皮移植 |
研究概要 |
表皮水疱症は軽微な外力により、皮膚に容易に水疱や潰瘍を生ずる疾患の総称である。近年の皮膚分子生物学の進歩により、表皮真皮の結合に関与する構造蛋白をコードする遺伝子の変異により本症が発症することが明らかとなったが、現在までに根本的な治療法はない。 本研究の目的は、重症型表皮水疱症に焦点を絞り、それらの患者を正確に診断して将来の臨床研究や遺伝子治療に備えること、表皮水疱症で欠損している特定の蛋白を効率よく産生,精製し,外部から局所的に補充するという新しい発想に基づく治療法を開発し臨床応用することにある。 北大皮膚科受診される表皮水疱症患者のみならず、国内外からの遺伝子診断依頼をうけ、多くの表皮水疱症患者の遺伝子変異を行った。この結果、多くの重症例でのVII型コラーゲンの変異を確認し、VII型コラーゲンの蛋白補充療法や遺伝子治療が適応になる患者を見いだし、目標を達成した。実際に表皮水疱症患者に、北大で初めて表皮シート移植療法を行った。また、VII型コラーゲン蛋白の合成・精製に関しては、合成が非常に難しいコラーゲンで、しかも、コラーゲンでは最長のVII型コラーゲンのsmall scaleの単離に成功した。 多くの表皮水疱症症例の遺伝子検索を行い、表皮水疱症の診断や発症機序についての新知見を見出した。酵素などの蛋白を補充する療法は行われているが、構造蛋白を補充する発想は本研究が初めてといえる。本研究により、その実現の高い可能性が示唆された。
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