研究課題/領域番号 |
13357014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 義久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30243025)
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研究分担者 |
中谷 壽男 関西医科大学, 医学部, 教授 (70188978)
中島 俊秀 クラレメディカル株式会社, 商品開発部, 研究リーダー
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
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キーワード | 神経 / 再生医療 / 自己組織化 / 分子材料 / 軸索 |
研究概要 |
目的:骨髄間質細胞は神経の再生に有効であることが認識されてきている。まず骨髄間質細胞の脊髄由来neurosphereに対する作用を培養系で調べ、次に骨髄間質細胞を脊髄に損傷をくわえたラットの損傷部へ移植して神経再生に対するその効果を調べた。 方法:GFPトランスジェニックラットの骨髄を採取し培養し骨髄間質細胞を得た。一方、ラット胎児より脊髄を採取地培養しneurosphereを得た。培養実験- 1)骨髄間質細胞とneurosphereを混合して無コートのディッシュで培養した。2)骨髄間質細胞を培養しておいたディッシュにneurosphereを加えて培養した。移植実験- ラットの脊髄に挫滅損傷を与え、骨髄間質細胞を損傷部へ注入した。コントロール群も作製した。 結果:培養実験- 1)neurosphereは培養ディッシュの底に張り付き長い突起を出していた。2)neurosphereは徐々に底に張り付き突起を伸ばした。Neuroshereは骨髄間質細胞を押しのけるように増殖した。neurosphereはお互いに細い突起でつながっていた。移植実験- 移植された骨髄間質細胞は損傷部に生着したが、その数は時間と共に減少した。損傷部にできた空洞の体積はコントロール群にくらべて小さかった。行動の回復は、移植群の何匹かのラットは体重を後足で支えることができ、前後足の協調運動も観察された。コントロール群では体重を支えることはできず、協調運動も認められなかった。 結論:培養の結果より骨髄間質細胞から何らかの成長因子が放出され神経幹細胞を分化させていると思われる。neurosphereの塊は増大し突起を伸ばして骨髄間質細胞を押しのけているように思われる所見から、neurosphereと骨髄間質細胞は共存できないと考えられる。移植実験からも骨髄間質細胞は脊髄損傷部に観察されるが時間と共に減少していく。
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