研究課題/領域番号 |
13357014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 義久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30243025)
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研究分担者 |
中谷 壽男 関西医科大学, 医学部, 教授 (70188978)
中島 俊秀 クラレメディカル株式会社, 商品開発部, 研究リーダー
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 軸索 / 脊髄 / 再生 / 中枢神経 / 外傷 / 免疫組織科学 / アルギン酸 / 末梢神経 |
研究概要 |
アルギン酸は通常カルシウムイオンにより架橋されているが、これに共有結合架橋をくわえたものを凍結乾燥させてスポンジ状に加工した。これを末梢神経、脊髄神経の損傷に用い、再生促進効果があることがわかった。特に、脊髄に関しては幼若なラットをもちいて実験を行った。ラット脊髄を胸髄レベルで切除しそのギャップにアルギン酸スポンジを埋植した。コントロール群としてアルギシ酸スポンジの代わりにコラーゲンゲルを埋植した群と何も埋植しなかった群を作製した。2週と4週目に組織学的に神経軸索の伸長、アストロサイトの反応を調べた。多くの再生軸索が脊髄断端からアルギン酸スポンジのなかへ伸長している様子が観察された。また、アストロサイトの突起と共に伸長している軸索も観察された。何も埋植しなかったラットでは大きな空洞が形成され軸索の伸長はまったく観察されなかった。コラーゲンゲルを埋植した群では再生軸索は断端部にいくらかは観察されたがギャップに長く辛勝しているものはなかった。アルギン酸スポンジの中へ伸長しているアストロサイトの突起には基底膜はなかったが、コントロール群の断端部のアストロサイトには基底膜が存在していた。以上の結果より、アルギン酸は瘢痕組織の侵入を防ぎアストロサイトによるグリオーシスを抑制していることが示唆された。また、アルギン酸は再生軸索、アストロサイトの突起の伸長にとって有効なスカフォールドとなっていると予想された。以上、神経軸索の再生にとって有用な人工材料であるアルギン酸を開発することができた。
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