研究課題/領域番号 |
13358001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大築 立志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30093553)
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研究分担者 |
上田 穣 会津大学, コンピューター理工学部, 講師 (10254062)
工藤 和俊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30302813)
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キーワード | ヴァーチャル・リアリティ / コンピュータ・グラフィックス / スキル / 運動学習 / 投球動作 / トルク / 筋活動 / スポーツ動作 |
研究概要 |
本研究は、身体運動に必要な種々の情報をできるだけ現実に近い形で視覚的・運動感覚的に呈示することによって、運動能力をテストし、運動学習を促進する方法を開発することを目的とする3年計画の研究である。2年次である本年度は、スポーツの基本動作データの充実およびそれを元にしたCG映像作製作業を行った。主な成果は次の通りである。 (1)スポーツ動作について、ボール投球動作における上肢筋活動によって引き起こされる関節のキネマティック及びキネティックな特性をCG映像の動きに取り入れるための基礎データを取得した。被験者に軟式野球ボールを肘と手首の2関節、及び肩、肘、手首の3関節のみを使って的を狙って投げさせ、各関節のトルク及び筋活動を記録した結果、手関節では球速によらずinteractionトルクとmuscleトルクが拮抗する方向に作用することがより明確に証明された。この機構は、手関節の速度を一定に保つことによって指によるボール操作(回転・コース)の自由度を増大させる機能的意味を有すると考えられる。肘関節においては両トルクは常に同方向に作用し、球速の調節に関与することが明かとなった。(2)筋活動と動作をCG映像化する作業の第一歩として、人体の主要な筋を骨格に付着させて自由に動かすための機能解剖学的基本CG映像を作製し、CRT画面上を飛来するボールをCyberTouchGloveを用いて仮想的にキャッチするシステムのプロトタイプを作製した。(3)プロ野球投手のTV映像(2次元映像)を取込んで、3次元動作を復元する方法を開発し、投球動作CGの試作に成功した。次年度は、これらをさらに改良し、飛来するボールを捕球・打球するVirtual Reality System及び、筋電図及び動作特性を組み込んだ学習者へのフイードバック用筋活動CGを完成させる計画である。
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