研究課題
微粒子計測にあたって、微粒子を均質濃度状態で測定するために、水溶液中に分散させた。水中でのブレイクダウン現象は、周囲の水分子によって緩和・抑制されるために水環境で測定できることは、大気中でも確実に計測できることを意味する。水中に粒径のそろったTiO_2微粒子を分散させ、重金属としてEuを結合させた。結合量に関しては、別途バッチ法による吸着実験から評価した。レーザの出力を、EuイオンがブレイクダンしないがTiO_2微粒子はブレイクダウンする強度に調整し、Euイオン溶存溶液、EuをTiO_2微粒子に付着・結合させて分散させた溶液、TiO_2微粒子の分散溶液を対象として、レーザ誘起ブレイクダウン分光測定を行った。その結果、TiO_2微粒子に結合するEuを結合していないEuと分離して、定量的にIn-Situで計測できることを確認した。また、ブレイクダウン発光の寿命を評価した結果、Euがイオン種として結合する場合と、Euが沈殿などの固相を形成してTiO_2微粒子表面に存在する場合とで寿命が異なることも明らかにした。このことは、ブレイクダウン発光寿命より、微粒子表面における付着有害化学物質のスペシエーションに関する情報を取得できることを示唆している。実際の大気雰囲気では、微粒子は1種類ではない。そこで、Eu_2O_3微粒子りほかに、Al系微粒子やCa系微粒子を混合分散させて溶液系を対象として、計測を行った結果、各元素ごとにIn-Situ定量計測が可能であることを明らかにした。
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