研究分担者 |
長谷川 秀一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90262047)
米岡 俊明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40013221)
田中 知 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10114547)
上田 真三 三菱マテリアル株式会社, 部長
門 信一郎 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助教授 (10300732)
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研究概要 |
大気中を浮遊する微粒子のIn-Situレーザ計測を目的として,時間分解型レーザ誘起ブレイクダウン分光(LIBS)システムを構築した.これにより,大気中浮遊微粒子ならびにそれに付着する重金属系有害化学物質について,微粒子に関しては組成,濃度,粒径を,また化学物質については元素,組成比,濃度を定量的に測定することを可能とした.また,ブレイクダウン発光特性を評価し,元素のイオン化ポテンシャルとレーザのフォトンエネルギーの関係を明らかにすることで,多光子吸収プロセスがブレイクダウン現象の第一過程であり,それに引き続いて発生するカスケード電離の2つの生成メカニズムが存在することを明らかにした.また,エアロゾルをガスに導入しブレイクダウンを発生させるとき,粒子からガスへのカスケード電離によるエネルギーの伝播が行われることや、粒子表面で多光子電離によって生成した電子が微粒子中心部でカスケード電離を生じさせている可能性も示すことができた. さらに,微粒子の分散性を良くするために,微粒子を水溶液中に分散させて,LIBSシステムの実用性を検証した.その結果,単成分微粒子系でも多成分多分散系であっても,ICP-AESと同等の検出精度で微粒子を計測することができることを示した. 実際の交差点でのサンプリングや,鉱山湧水,湖沼水などの実環境試料を用いたIn-Situレーザ計測を行い,同時にSEMやICP-MSなどのEx-Situ計測の結果と比較することで,本In-Situレーザ計測システムが,Ex-situ計測の結果と整合することも示した.
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