研究課題/領域番号 |
13358012
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西郷 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50136454)
|
研究分担者 |
程 久美子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 科学技術振興特任助教授(常勤形態) (50213327)
|
キーワード | RNAi / RNA干渉 / 遺伝子機能破壊 / siRNA / マウス / ヒト / 哺乳類 / 全ゲノム遺伝子 |
研究概要 |
RNA干渉(RNAi)は、二本鎖RNA (dsRNA)を細胞に導入し塩基配列特異的に遺伝子機能を破壊する方法で、ポストゲノム・シークエンス時代の網羅的遺伝子機能解析法として注目されている。哺乳類においては、dsRNAによるapoptosisを避けるために21bpからなるsiRNAが長いdsRNAの代わりに用いられてきた。siRNA法の問題点は、およそ80%の配列が役にたたない点である。この点の克服は、特にヒトやマウスのゲノムワイドでの遺伝子機能破壊実験にとっては、非常に重要である。我々は、siRNA依存的RNAiの分子機構を解明する過程で、良く効くsiRNA配列を決定することに成功した。詳細は発表論文に譲るが、有効なsiRNAは、4つの条件を同時に満たしており、これらは、少なくとも部分的にsiRNAのRISCへの取り込みとsiRNA変性の過程に依拠していると推定された。コンピュータを用いた解析から、ヒトやマウスの個々の全ゲノム遺伝子に有効なsiRNAの配列を特定することが可能であることが分かり、ここで開発した手法で求めたsiRNA配列を用いて、ヒトマウスのほとんどの遺伝子の機能破壊が可能であることが分かった。良く効くsiRNAは、細胞内で、配列の類似している別の遺伝子由来のmRNAを破壊するかもしれない。この効果をoff target効果という。off target効果を最小にするコンピュータプログラムを情報科学の専門家(東京大学森下真一教授)との共同研究でつくり、最適siRNAを、投入した任意の配列に対してスーパーコンピュータで素早く答えるWeb site(近日中に公開予定)を構築した。
|