研究課題/領域番号 |
13358015
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
赤池 敏宏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (30101207)
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研究分担者 |
杉原 伸宏 信州大学, 医学部, 助手 (10324245)
根岸 直樹 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30218268)
渡辺 恵史 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (40231013)
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キーワード | PVLA / 細胞外マトリックス / 肝細胞 / 接着 / シトクロムP-450 / 薬物代謝 / aminopyrine N-dimethylase(ADM)活性 / 胆汁酸 |
研究概要 |
最近のPVLAを用いた細胞外マトリックス工学の研究から肝細胞の接着制御により接着細胞の形態や分化機能の制御が可能になりつつある。しかしながら薬物代謝と胆汁酸機能の解析は遅れていた。本研究ではシトクロムP-450の亜種であるCYP3A、CYP2Dと分泌胆汁酸との相関性に着目してマトリックスの種類による薬物代謝の制御の可能性を追求した。 collagen上で培養した肝実質細胞において薬物代謝活性の1つであるaminopyrine N-dimcthylasc(ADM)活性は培養時間(日)とともに振動的変化を示した。この振動周期は培地中の胆汁酸量とシンクロナイズしていた。即ち、培地中から肝実質細胞内に取り込まれた胆汁酸量が多いと薬物代謝活性が低下し、逆に肝実質細胞中の胆汁酸量が少ないと薬物代謝活性が上昇した。そこで、測定の15時間前に一定量の胆汁酸を測定溶液に加えて薬物代謝活性を測定した結果、薬物代謝活性に振動性が見られなくなり、ほぼ直線的になった。この相関から肝実質細胞中の胆汁酸濃度が薬物代謝活性をコントロールしていることが示唆された。また、低濃度(0.5μg/ml)でコートされたPVLA上においてはADM活性及び培地中の胆汁酸量の振動現象もシンクロナイズしていたが、振動周期がcollagen上よりも遅くなっていた。
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