研究分担者 |
野田 恵一 (株)日本エイピーアイ, 主任研究員
溝上 員章 (株)日本エイピーアイ, 代表取締役社長
蓮見 啓二 (株)ルネサス東日本セミコンダクタ日立中研分室, 分室長
下門 顕太郎 東京医科歯科大学, 大学院・血流制御内科, 教授 (30192115)
岡野 嘉昭 京都大学, 大学院・臨床病態検査学, 助手 (80314186)
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研究概要 |
(1)健康成人ならびに疾患患者への呼吸回路システムの臨床応用:本年度は平成13-14年度に開発した呼吸回路システムを用いて,健康成人ならびに疾患患者総数(240人)のボランティアを募り,呼気ガス微量成分の分析を行った.疾患の内訳は高血圧,糖尿病,高脂血症,痛風をはじめとする生活習慣病,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患,虚血性心疾患,弁膜症などの循環器疾患,慢性胃炎・胃潰瘍,肝疾患などの消化器疾患など多岐にわたる疾患群における呼気微量ガス成分のスペクトラムを得た.この結果,特に糖尿病においては血糖値と極めてよく相関する化合物を,また,高脂血症においては総コレステロール値とよく相関する化合物を見出した(特許申請準備中).これらの成果を発展させ,呼気ガスによる血糖値とコレステロール値の推定が可能となり,現在,この成分に対する特異的センサーの開発を準備している.また,呼吸器・循環器疾患の症例を増やし,疾患特異的な化合物を探索中である. (2)皮膚ガス採取システム開発への展開:本研究の途上,「試料表面から発生するガスの超高感度分析システムおよび方法」(特願2003-88653)を開発し,皮膚ガスにおいても微量ガス成分が多数見出されることを発見した.この試作装置と大気圧イオン化質量分析装置を用い,皮膚ガス微量成分の質量スペクトラムをみたところ,大部分の質量数において呼気微量成分とほぼ直線的に相関し、また,呼気および皮膚ガスにそれぞれ特有な成分が一部認められることが判明した.
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