研究課題/領域番号 |
13359001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾中 敬 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30143358)
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研究分担者 |
金田 英宏 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究科, 助手 (30301724)
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究科, 教授 (40135299)
田辺 俊彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90179812)
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キーワード | 大型冷却望遠鏡 / カーボンファイバー / 軽量鏡 / 衛星搭載機器 / スペース観測 / 低温物性 |
研究概要 |
昨年度の成果を受け、本年度は、CFRP材による(1)150mmの球面鏡の試作、(2)ハニカムコア装着鏡の試作、(3)表面粗さの改善を中心に行った。球面鏡の試作においては、プリプレグの積層方法の検討をまず行った。プリプレグを0°、90°の方向で積み重ねたもの、0°、45°、90°のもの、0°、22.5°、45°、90°の方向で重ねたものを試作し比較した結果、最後のものが対称性の観点から最も優れていることが確認できた。曲率半径が500mm下のきつい曲面の製作も行い、ガラスモールドの曲率半径を0.1mm内の精度で再現していることを確認し、曲面の場合のプリプレグの積層方法及びレプリカの製作方法についても一定の評価ができた。現在のところ、表面粗さがまだ積層の方法に依存することが確認されており、今後この点の改善を検討する予定である。またハニカムコア構造をつけた平面鏡の試作も問題なく行えることを確認し、次にハニカムコア付きの球面鏡の試作を行う予定である。表面粗さの改善については、(1)金コートしたモールドにから成型する方法を試行し、この方法が適用できることを確認したが、現段階ではまだ繊維のバンドルの影響が残り、表面粗さについては大幅な改善は得られなかった。(2)次にSiCフィラーあるいはアルミナフィラー入りの樹脂による表面の改善を行った。この方法では炭素繊維による表面粗さを十分改善できることは確認できたが、厚みが100ミクロン程度になるため、熱変形による変形が大きいことが予想されるため、次に紫外線硬化樹脂による改善を行った。紫外線硬化樹脂は薄くできることが利点であり、まず13ミクロン厚のものを試作し、検討したが、あて板の厚みが不十分であるため、曲率が出ることがわかった。次には、あて板の厚みを改善し、この問題を解決することと、さらに樹脂層の厚みを薄くすることを検討している。この方法により1nm程度までの表面粗さが達成できている。
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