研究課題/領域番号 |
13371012
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松田 博幸 近畿大学, 工学部, 講師 (80209569)
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研究分担者 |
仲宗根 薫 近畿大学, 工学部, 助教授 (80340834)
井原 辰彦 近畿大学, 工学部, 教授 (50133541)
大森 豊裕 近畿大学, 工学部, 助教授 (60088599)
橋本 清勇 広島国際大学, 社会環境学部, 助教授 (50273470)
東樋口 護 鳥取環境大学, 環境情報学部, 教授 (50026366)
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キーワード | 国際研究者交流 / タイ / 水上住宅 / 水上集落 / 居住実態 / 杭上住宅 / ベトナム |
研究概要 |
本調査研究は、タイ国チャオプラや水系に展開する水辺集落(筏住居・杭上住居)における伝統的な環境共生様式と近代化変容の実態を明らかにするとともに、その住居改善方策を検討することを目的としている。本年度は、タイのバンコクを対象地域として、そこに存在する水上住宅について、集落と住宅の様態、および居住者の居住実態を把握することを主眼としている。さらに、ベトナムの水上住宅(杭上住宅)との若干の比較を行っている。 生活用水は水道水と運河の水を利用し、生活排水はそのまま運河に垂れ流しにしている。今回の調査住宅のなかで半数の住宅に水道設備があった。水道がひかれた住宅であっても、運河の水をポンプで引き上げ、生活用水や汚水が混入した水を浄化せずにそのまま利用しているのが現状である。水上住宅の特徴としては壁は板張りで、台所やトイレの壁はトタンを打ち付けている住宅が多い。窓は、ガラスの入った扉が取り付けられており、普段は開放されている。隙間が多く風通しが良いなどの住宅の特徴が把握できた。 住宅内にはテレビやオーディオなどの電化製品が充実しており、伝統的な生活から近代的な生活に移りつつある。日常使っている水は水道水と運河の水を利用している。水道を引いている世帯であっても運河の水を利用しており、調査世帯の多くが未だに運河の水に頼っている。外出する際の交通手段は、バイクや自動車、自転車などの陸上交通を利用している世帯もあるが、ボートを利用している世帯もあり、未だに伝統的な水上交通が利用されている。陸上への移住を望んでいる世帯は6件中1件と少なく、周辺の環境が良く、多くの世帯が移住を望んでいない。移住を望む理由としては洪水が多いということであった。このように、今回調査した地域では、近代的な要素を取り込みながら、伝統的要素も有効に利用し上手く生活をしている。その要因として、原住民がこの土地のことをよく理解し、環境の変化に対応していることがあげられる。 以上より、一部ではあるが、タイの水上筏住宅の集落構成や様態、その居住者の生活実態について、一定の知見が得られた。
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