研究課題/領域番号 |
13372003
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
比屋根 照夫 琉球大学, 法文学部, 教授 (10045172)
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研究分担者 |
石原 昌英 琉球大学, 法文学部, 教授 (70244283)
前門 晃 琉球大学, 法文学部, 教授 (60190287)
大城 肇 琉球大学, 法文学部, 教授 (90168922)
新垣 誠 沖縄キリスト教短期大学, 助教授 (90342427)
金城 宏幸 琉球大学, 法文学部, 助教授 (50274874)
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キーワード | 帰属意識 / 文化継承 / 新1世 / 戦後移民 / 沖縄系コミュニティ / 言語文化変容 / 沖縄統治政策 / 越境的関係性 |
研究概要 |
本年度の研究では、戦後沖縄における米国の統治政策に対して被治者である沖縄の人々がどう反応し、行動したのか、そして、米国がそれをどう分析したのかを調査分析する。また、昨年度からの継続で、沖縄移民(本土在住沖縄人を含む)とその子孫の帰属意識の維持・継承、言語文化変容について調査分析した。調査研究は、県内外の国内の図書館や公文書館、そして米国の大学図書館(ハワイ大学、カリフォルニア大学バークレイ校)、日系移民博物館、日系アメリカ人歴史文書館、日系アメリカ人図書館、沖縄県人会(本土・米国)及び個人からの資料収集、聞き取りを主とした。その成果として、比屋根、前門、石原が講演会、学会等で研究成果を発表した。本年度の研究成果をまとめると次のとおりである。 1)聞き取り調査及び文献調査を通して、関東地区における若い世代の沖縄系人の言語・文化継承とその課題を明らかにすることができた。 2)聞き取り調査及び文献調査を通して、ハワイにおいては若い世代の沖縄系アメリカ人のアイデンティティが文化的活動を通して形成されていること、一方、カリフォルニアにおいては、戦後移住した者が文化継承活動の担い手となっていることが明らかとなった。 3)戦後移住した新1世を含め、海外沖縄系コミュニティが越境的な関係性を構築しつつあることが示唆されたので、今後の研究課題が明らかになった。 4)言語や文化の米化の過程で米国の政治的・経済的な要因が強く影響したことを明らかにすることができた。また、戦後沖縄における米国民政府の言語政策にも類似する傾向が見られる。 5)米国政府による沖縄系移民に対する同化政策、及び戦後における沖縄統治政策に流れる源流を確認することができた。 6)米本土の沖縄系移民の人口分布調査の結果、戦前・戦後ともカリフォルニア州などの西部に沖縄系人が集住しており、職業は農業従事者が戦前は多かったことが明らかになった。
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