| 研究概要 |
今年度は,14・15年度の本調査に向けた予備調査との位置づけのもと, 山田およびリリックはインドネシアの西ジャワ州および西カリマンタン州において, 地方分権化の推進にともない, 地域に根差した森林経営の確立を目指して活動している現地NGOの現状について聞き取り調査をおこなった. その中で, 財政基盤の貧弱な地方政府に対して森林開発をめぐる許認可権限を委譲した結果, 伐採許可が無秩序に発給される一方, NGOは地域住民の伝統的土地利用体系にもとづく持続的林業経営の確立と, 非木材林産物のマーケティング支援を主体とする活動をおこなっていることが明らかになった. 一方及川はコビナとともに, インドネシアとほぼ時期を同じくして分権化を掲げた森林法が施行されたガーナにおいて, その実態を明らかにすべく調査をおこなった. そこでは政府レベルでの取り組みは南部森林地帯に限られ, 相対的に経済的価値の低い北部サヴァンナ帯の森林に対しては, まだ保全に向けた具体的な取り組みがみられないことが明らかになった.
林はナイジェリアにおける調査に対する準備に着手したが, 治安の問題から, 来年度以降も実施できるかどうか予断をゆるさない状況であることがわかった. 上條はマレイシアにおける調査の準備をおこなった. 上條はマレイシアにおける森林管理の調査に向けた準備をおこなった. ナイジェリアの動向を受け, 増田はナイジェリアの代替地としてインドにおける調査の可能性を探ることとなった.
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