研究分担者 |
由井 義通 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (80243525)
友澤 和夫 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (40227640)
日野 正輝 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30156608)
荒木 一視 山口大学, 教育学部, 助教授 (80254663)
澤 宗則 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40235453)
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研究概要 |
3年計画の2年目である本年度は,インド政府から調査ビザを取得できたので,当初の予定通り,もっぱらバンガロールにおいて11月末から1ヶ月弱の期間で本調査を実施した。ただし,一部のメンバーは企業の聞き取り調査や資料収集のためデリーでも調査を行った。本年度の研究成果は,平成15年3月の日本地理学会において調査参加者全員が口頭で発表した。 具体的な調査先は、州政府ほかの官庁、自動車関連の工場、IT関連企業、工業技術訓練校(ITI)、農産物卸売市場,住宅地の居住者,近郊農村(ゴラハリ村)住民であるが,後2者については世帯ごとのインタビューサーベイを行った。 研究の内容は、以下の通りである。岡橋はバンガロールにおけるITI(工業技術訓練校)の調査から,インドにおける工業化の基盤をなす人的資源開発の特質に迫った。友澤はバンガロールに進出した日系自動車企業T社による生産システムの構築とその特徴を明らかにした。鍬塚は,世界的に注目されるバンガロールのソフトウェア企業について,これまでにない精度での実態解明を行った。日野は大手消費財メーカーの販売事業所の配置から,カルナータカ州都市の近年の階層分化を指摘した。急成長するバンガロールの都市問題については,南埜が水資源問題,由井が住宅開発,荒木が農産物集荷圏,澤が近郊農村の混住化社会の側面からそれぞれ調査し,考察した。 以上の検討から,近年のバンガロールの工業発展が自動車とソフトウェアを中心に解明され,またその前提となる人的資源開発の問題点も判明した。バンガロールの都市成長と都市問題については,水,住宅,近郊農村の側面から,さらにバンガロールの成長の地域的波及構造についても,カルナータカ州の都市システムや農産物供給の面から明らかにされた。
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