研究分担者 |
油井 義通 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (80243525)
友澤 和夫 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (40227640)
日野 正輝 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30156608)
荒木 一視 山口大学, 教育学部, 助教授 (80254663)
澤 宗則 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40235453)
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研究概要 |
3年計画の最終年である本年度は,インド政府から調査ビザが円滑に発給されたため,当初の予定通り,もつぱらデリー大都市圏、特にグルガオン地区において11月末から1ヶ月弱の期間で本調査を実施した。本年度の研究成果は,平成16年3月27-28日の日本地理学会において全員が口頭で発表した。 具体的な調査先は、中央政府ほかの官庁、自動車関連の工場、IT関連企業、農産物卸売市場,住宅地の居住者,工場労働者、近郊農村住民などであるが,後3者については世帯ごとのインタビューサーベイを行った。 研究の内容は、以下の通りである。岡橋は工場労働者の調査から,インドにおける経済自由化後の工業労働市場の特質に迫った。友澤はグルガオンに展開する自動二輪車企業H社による生産システムの構築とその特徴を明らかにした。鍬塚は,世界的に注目されつつあるデリーのコールセンターについて,その実態解明を行った。日野は経済自由化後の全国主要都市への外国資本企業の進出状況を調べ、さらにデリーに焦点をあててその特質を考察した。急成長するグルガオンの都市問題については,南埜が水資源問題,由井が住宅開発,荒木が農産物集荷圏,澤が近郊農村の混住化社会の側面からそれぞれ調査し,考察した。 以上の検討から,近年のグルガオンの工業発展が自動車産業を中心に解明され,またその前提となる労働力供給の特徴も判明した。グルガオンの都市成長と都市問題については,水,住宅,近郊農村の側面から,さらにグルガオンの成長の地域的波及構造についても農産物供給の面から明らかにされた。
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