研究分担者 |
村尾 修 筑波大学, 社会工学系, 講師 (70292753)
小泉 秀樹 東京大学, 工学研究科, 助教授 (30256664)
池田 浩敬 富士常葉大学, 環境防災学部, 助教授 (80340131)
澤田 雅弘 長岡造形大学, 造形デザイン学科, 講師 (00329343)
加藤 孝明 東京大学, 工学研究科, 助手 (30251375)
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研究概要 |
本研究は,1995年阪神・淡路大震災,1999年トルコ・マルマラ地震および921台湾集集地震を対象に,地震災害対応からの復旧・復興への過程と,市街地・住宅・経済の復興方策と復興実態を比較考察し,都市型大規模地震災害における復興のあり方を考究するものである. 2年目である平成14年度は,トルコでは平成14年9月に現地調査を実施した.公的セクターによって供給された被災者用の分譲住宅団地の建設状況と入居状況について現場調査を通して把握した.これら住宅団地の多くは被害の大きかった中心市街地から離れた丘陵地など地盤条件のよい土地に建設され,入居が開始されだした時期であったが,神戸の復興公的住宅とは対照的な示唆を得ることができた.国とは違う基礎自治体への聞き取り調査をとおして,市街地復興に向けた地域としての都市計画的対応の経緯について調査した.さらに,調査フィールドとしてコジャエリ県デールメンデレ市を設定し,被災者の個別の住宅再建実態のについてヒアリングによる調査を行った. 台湾では,平成14年8月及び平成15年1月に現地調査を実施した.中央政府の復興委員会,及び台中縣,南投縣から,市街地復興事業の進捗状況について調査を行うとともに,復興まちづくり(重建社区営造)に取り組む民間地域組織を訪問し,現場調査を実施した.また,南投県集集をフィールドに,地方小都市の市街地復興過程を調査した. これらの現地調査から,日本の現地復興・公共賃貸住宅方式,台湾の現地復興・一部新社区移転方式,トルコのニュータウン開発・被災者移転復興方式の特徴を明らかにするとともに,成果の学会発表を行った.また3つの地震災害からの復興過程を総合的に評価するための現地研究者・専門家との研究集会に向けて準備を進めている.
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