研究課題
基盤研究(A)
本研究の目的は、チリ海嶺沈み込み帯近傍に露出するタイタオ・オフィオライトで沈み込む物質のキャラクタリゼーションを行い、海嶺沈み込みに伴って島弧における火成作用が時空間系列の中でどのように変遷してきたかを明らかにすること、海嶺沈み込み帯の深部構造を明らかにすることである。主な成果は以下の通りである。1)チリ南部のパタゴニアを中心に、5トンにおよぶ膨大な岩石試料を系統的に採取し、本地域に関しては世界一の岩石ライブラリーを構築した。2)古地磁気学的手法と構造地質学的手法を用いて、タイタオ・オフィオライトの定置過程を明らかにした。3)タイタオ・オフィオライトはN-MORBとE-MORBにまたがる幅広い組成を持つこと、同時代の島弧的な花崗岩類を付随することが確認された。また、中央海嶺近傍における海洋底変成作用が予察的に示された。4)パタゴニア火山ギャップの両端に位置する、ハドソン火山とラウタロ火山の詳細な地質と活動年代・組成の変遷を初めて明らかにした。5)アンデス南端火山帯に産出するいわゆるアダカイトの詳細な年代学的・地球化学的検討を行い、アダカイトの成因について、新しいモデルを提唱した。6)アルゼンチンの超背弧火山地帯を詳細に研究し、背弧火成作用の新しい成因を提唱した。7)陸弧に沿って2列あるいは3列にわたって、中新世以降の年代を持つ花崗岩類が分布することを認め、一部については年代と組成を明らかにした。8)海嶺沈み込みが生じている南緯46度付近を中心に60台の広帯域をカバーする地震計網を設置した(ケンブリッジ大学のプリーストリー博士と共同)。9)海嶺沈み込み帯における変形・流体移動モデルを構築し、地震波速度構造を予測した。
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