研究分担者 |
廣井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
加々美 寛雄 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20108179)
白石 和行 国立極地研究所, 研究系, 教授 (90132711)
木村 純一 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30241730)
小山内 康人 岡山大学, 教育学部, 助教授 (80183771)
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研究概要 |
平成14年度は、研究成果の中間的"まとめ"のためのミーティングを平成14年10月月に東京で開催した。 今年度は、インド南部変成帯、インド東ガート帯、スリランカ、パキスタン、モザンビークに調査の重点を置き調査が行われた。 インド東ガート帯および南部に広く分布するchamockiteおよび泥質変成岩の調査を行った(有馬、石川、Santosh)。さらに岩石学的検討を行うための全岩・鉱物化学分析,Sr・Nc同位体比測定を行い、形成年代について予察的結果を得た。 スリランカの現地調査は,1988年-1989年の廣井を代表とする海外学術調査とその後の小山内を中心にした小グループでの何度かの調査・研究の延長であり,それまでの調査の補遺的なものであった。スリランカの南西部を重点的に調査した(廣井広井、小山内、志村)。この地域には主としてHigh land Complexと呼ばれるグラニュライト相の変成岩類が分布しており,興味深い岩石が産出する。特に,Embilipitiya付近には累帯構造の顕著な特異なザクロ石斑状変晶が産出することが知られていたが,今回,その産出地点を確定し,野外での産状を観察することが出来た。多量に採集した岩石試料の薄片作成や分析等の室内作業を進めている。 パキスタン、Nanga Parbat-Haramosh Syntaxisの東部に位置するスタックバレーのヒマラヤ変成帯とラダック岩帯の境界調査を行った(山本)。ヒマラヤ変成帯上部層に位置する層厚約100mの地層からエクロジャイトを伴う層準を発見した。エクロジャイトは層状に母岩であるfelsic gneiss及びpelitic gneissに取り囲まれ、1〜1.5m程度の層厚を持ち、部分的に後の変形運動の影響を受けてブロック状の様相を示すブーディン構造を呈する。エクロジャイトの周囲(マージン)は後退変成作用の影響を受け、著しく角閃岩化を被っているが、その中心部(コア)はザクロ石+オンファス輝石+石英+ルチルからなる鉱物組み合わせが確認できた。 モザンビーク北部に広く分布する花崗岩・ミグマタイト・片麻岩からなる先カンブリア紀の基盤岩類の調査を行った(白石),ナンプーラ近郊とMugeba K lippe周辺においてミグマタイト,花崗岩質片麻岩,チャーノッカイト、花崗岩,砂泥質片麻岩,角閃岩等の試料を採取した.さらに、南ア地質調査所で約50点の年代測定用試料から、ジルコンの分離を行った。今後の研究計画は,5月〜6月にSHR MPによるジルコンのU-Pb年代(極地研)を求める他,全岩・鉱物化学分析(山形大),Sr・Nd同位体比測定(新潟大)を行い,広域的に比較検討できるデータセットを作成する. 東西ゴンドワナの衝突帯であるとされるモザンビーク帯において,ゴンドワナ超大陸の離合集散・パンアフリカン変動の広域的比較検討のために,東南アフリカに位置するモザンビーク共和国北部ナンプーラ周辺およびその南方でSHR MP年代測定用岩石試料の採取を行った.さらに岩石学的検討を行うための全岩・鉱物化学分析,Sr・Nd同位体比測定用の岩石試料も同時に採取した.
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