アジア太平洋地域における水資源環境の評価・管理・対策に関する研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13374001
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
• 研究分担者: 竹内 邦良 山梨大学, 工学部, 教授 (50016672) ; 寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327) ; 小尻 利治 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026353) ; 堀 智晴 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20190225) ; 中北 英一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70183506)
• キーワード: アジア太平洋域 / 水資源評価 / 水資源予測 / アジアモンスーン / 水循環モデル / 洪水予測 / 水文データベース / 貯水池堆砂

研究概要

本研究では、東南アジア太平洋域での水資源環境の解析手法を提示するとともに、それを地域内のいくつかの流域において適用し、水問題を解決するための実効的な対策を提案する。今年度の研究活動実績を以下にまとめる。
1)池淵・寶・宇治橋・近藤・立川は,東南アジア太平洋地域の10カ国25河川の地理・地形・水文・水資源に関する情報を収集,統一されたフォーマットでそれらを編集し河川カタログとして出版するとともに,ディジタル化してCD-ROMに収録した。
2)竹内・寶は,東南アジア太平洋地域の水文・水資源研究をレビューして,FRIENDレポートとして出版するとともに,3月にケープタウンで開催されたFRIEND国際会議に海外研究協力者とともに出席して発表した。
3)宝・立川らは、中国准河流域を対象としたマクロスケール水文モデルを同流域に適用し、流域水循環の再現を図った。その結果、入力データセットとしてもちいたGAME再解析データを用いて河川流量を十分予測できることを示した。
4)宝らは、分布型土砂流量予測モデルを開発し、それをインドネシアブランタス河上流域に」適用してダム貯水池への土砂堆砂量を予測した。このモデルは、衛星データを用いた土地利用形態や、地形図データから読み取った数値標高モデルを組み込んだ分布型流出土砂予測システムであり、本モデルは東南アジアのさまざまな流域で適用可能なモデルとなっている。

研究成果

• [文献書誌] 寶 馨, 中山大地, 立川康人, 佐山敬洋, 中川 一, 里深好文ほか: "A rainfall-sediment-runoff model in the upper Brantas River,East Jawa,Indonesia"京都大学防災研究所年報. 247-257 (2001)
• [文献書誌] Takara, K., Sayama, T., Nakayama, D., Tachikawa, Y.: "Development of Rainfall-Sediment-Runoff Model in the Upper Brantas River,Indonesia"第3回水文過程のリモートセンシングとその応用に関するワークショップ. (印刷中). (2002)
• [文献書誌] Sunaryo, T., Raimond R, Harry, ., S, Takara, K.: "Conservation and management of reservoirs in the upper Brantas River in terms of sedimentation problem"第9回世界湖沼会議論文集. 第5分科会. 112-115 (2001)
• [文献書誌] Shresta, R, Tachikawa, Y., Takara, K.: "Effect of foecing data resolution in river discharge simulation"水工学論文集,土木学会論文集. Vol.46. 139-144 (2002)
• [文献書誌] K.Takeuchi(共著): "FRIEND-a global perspective 1998-2002"Centre for Ecology and Hydrology,Wllingford,UK. 132 (2002)
• [文献書誌] K.Takara(共同編集): "FRIEND-a global perspective 1998-2002"UNESCO-IHP Regional Steering Committee for Southeast Asia and the Pacific(印刷中). (2002)