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2002 年度 実績報告書

樹木多様性と熱帯降雨林生態系機能の関係の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13375002
研究機関京都大学

研究代表者

北山 兼弘  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (20324684)

研究分担者 相場 慎一郎  鹿児島大学, 理学部, 助手 (60322319)
鈴木 静男  京都大学, 農学研究科, 学振特別研究員
清野 達之  京都大学, 生態学研究センター, COE研究員
長谷川 元洋  森林総合研究所, 研究官
キーワード熱帯山地林 / 樹木種多様性 / ハワイ / マレーシア / 土壌発達 / 栄養塩資源傾度 / 純一次生産 / 種プール
研究概要

この研究の目的は、熱帯降雨林生態系の機能に地域の樹木多様性がどのように関係しているのかを、実証的に明らかにすることである。作業仮説として、地域の樹木多様性が大きいほど機能的に多様な分類群を含み、潜在的な樹木機能型のプールも大きく、このため地域全体としては資源や環境変動に対しての樹木適応幅が大きくなるため、バイオマスや純一次生産の変動幅が小さくなることを挙げた。この仮説を検証するため、マレーシアとハワイという地域の樹木多様性が大きく異なる2地域を選び、土壌資源変動に対する森林のバイオマスや純一次生産の変動幅を調べている。初年度は、マレーシアのボルネオ島キナバル山に土壌形成年代の異なる2試験地を設定、ハワイ島にも火山噴火後の地質年代が異なる4箇所(400,1500,5000,9000年)に長期試験地を設定した。2年度目に当たる今年度は、これらの試験地の毎木調査を行い、試験地内部の一定以上の直径を持つ樹木全てに識別タッグをつけ、種同定、さらに直径と樹高の測定を完了した。試験地内には、生産量推定のために、落葉・落枝を捕捉するためのリタートラップを設置したが、マレーシアの試験地については2週間ごとに、ハワイの試験地については1ヶ月ごとにリターの回収を行った。回収したリターについては、乾燥機で乾燥し、葉・繁殖器官・枝・ダストなどに仕分けし、重量の測定を行った。また、1分類群の樹木個体群内の形質と機能型の多型性を調べるために、ハワイの優占樹種Metrosideros polymorphaを対象にし、様々なサイトから母樹毎に集められ同じ環境で播種・育成された若木の形質と生長特性の調査も行った。これまでの調査により、バイオマス量が計算され、土壌変化に対してほぼ予測どおりの変動パターンを示すことが明らかにされた。純一次生産の変動パターンについては、来年度の計測結果を待ちたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takyu, Aiba, Kitayama: "Changes in biomass, productivity and decomposition along topographical gradients on Mount Kinabain, Borneo"OECOLOGJA. (In press). (2003)

  • [文献書誌] Kitayama, K., Aiba, S.: "Soil phosphorus fractionation and phosphorus-use efficiency of a Bornean tropical montane rain forest during soil ageing with podozolization"ECOSYSTEMS. (In press). (2003)

  • [文献書誌] 北山, 相場, 武生: "炭素とミネラルのバランスから見た山地熱帯林生態系の動態"日本生態学会誌. 52. 125-129 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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