研究課題/領域番号 |
13376001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 武庫川女子大学 (2003-2004) 東亜大学 (2002) (財)生産開発科学研究所 (2001) |
研究代表者 |
池田 克巳 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (80273499)
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研究分担者 |
家森 幸男 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (80025600)
奈良 安雄 就実大学, 薬学部, 教授 (80116417)
山本 潤子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (30329651)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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キーワード | フィトケミカル / 生活習慣病予防 / WHO-CARDIAC study / イソフラボン / 脳卒中自然発症ラット / NADPHオキシターゼ / eNOS / Hypertension |
研究概要 |
我々は茶、紅茶ポリフェノール、アントシアニン、コーヒー酸、セサミン、イソフラボン等のフィトケミカルを対象に、その生活習慣病予防作用について、培養平滑筋細胞、内皮細胞系及び我々の開発した動物モデルを使用して検討し、それぞれの生活習慣病予防作用について報告した。 これらのうち、大豆由来のイソフラボンは特に生活習慣病予防に効果的であり、スコットランド在住の中年男性を対象にした介入試験により、大豆タンパク摂取グループにおいて有意な血圧降下とHDL-コレステロールの増加を認めた。この結果をふまえ、25カ国60地域を対象としたWHO-CARDIAC studyの結果をもとに、代表的なフィトケミカルである大豆イソフラボン摂取と循環器疾患の危険因子との関連性について総合的な解析を実施した。その結果、24尿中のイソフラボン排泄量より推定された大豆の摂取量は、25カ国における年齢補正後の冠動脈疾患の死亡率と負の相関が認められた。また、24時間尿のイソフラボンを測定した1801人では、大豆を摂取している人の肥満度指数、収縮期血圧および血中総コレステロールの値が摂取していない人に比べて、有意に低い値を示した。 この作用機序を解明するために、大豆イソフラボンを用いて培養細胞、高血圧モデルラットにおける検討をおこなった。培養系でイソフラボンの一種であるゲネステインにおける内皮保護作用を検討した結果、NADPHオキシダーゼサブユニットであるp22foxとAT1レセプター抑制作用が認められ、ゲネステインにおける内皮保護作用が証明され、循環器疾患予防への関与が示唆された。また脳卒中自然発症ラットにおけるイソフラボンアグリコン投与は、NO産生増加による収縮期血圧の低下を促し、eNOSの顕著な遺伝子発現亢進など、イソフラボンアグリコンの生活習慣病予防作用のメカニズムの一端が証明された。
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