研究分担者 |
庄垣内 正弘 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60025088)
片岡 裕 大谷大学, 文学部, 教授 (70288017)
RHODES Robert F. 大谷大学, 文学部, 助教授 (00247769)
加来 雄之 大谷大学, 文学部, 助教授 (10214264)
柴田 みゆき 大谷大学短期大学部, 講師 (50321063)
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研究概要 |
本研究は、大谷大学所蔵の北京版チベット大蔵経のデジタルイメージの作製とその思想史研究を課題とするものである。今回の研究では、大谷大学所蔵の北京版チベット大蔵経第260莢(Case Cu, Peking Catalog. No.5593, Chos mngon pa'i mdzod kyi 'grel bdhad, 1-383a, Abhidharmakosavyakhya Sphut artha, Chs.1-3)のデジタル化を完了することができた。そしてデジタルイメージファイルを容易に閲覧するためのシステムを作成した。 デジタルイメージにもとついてチベット語フォントを用いた校訂テクストを作成した。それをデルゲ版と対校して批判テクストを作成した。 さらにサンスクリット語テクストAbhidharmakosavyakhya Sphut arthaの入力されたデータを校正し、サンスクリット語テクストとチベット語テクストとの対照を容易にするため、テクスト間相互対照ハイパーテクストを作成した。本研究による大きな成果の一つである。 アビダルマ文献の批判テクスト作成は、仏教思想の基本的な概念を解明していくために必須の研究過程である。本研究代表者が目指すものは、アビダルマ文献に現われる教義概念の整理に終わるものではない。それらの教義思想が形成されてきた背景には、大乗経典の成立という大きな動きがあり、それと連動した思想運動と考えられる。今回の成果であるアビダルマの諸法、信仰、般涅槃、仏土というテーマは、いずれも仏教思想史を形成する基本概念である。 今後の研究のために必要な基礎概念の研究をなしたといえるであろう。
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