研究課題/領域番号 |
13410013
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
石崎 嘉彦 摂南大学, 国際言語文化学部, 教授 (80232289)
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研究分担者 |
川出 良枝 東京都立大学, 法学部, 助教授 (10265481)
柴田 寿子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40235578)
飯島 昇藏 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (80130863)
太田 義器 摂南大学, 国際言語文化学部, 講師 (10277858)
霜田 求 大阪大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90243138)
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キーワード | レオ・シュトラウス / 政治哲学 / 政治思想 / マキアヴェリ / 倫理学 / 思想史研究 / 国際政治 / ポストモダン |
研究概要 |
今年度の研究は(1)シュトラウス政治哲学の全般に関わる研究、(2)シュトラウスの哲学思想と現代の政治的諸問題および倫理的諸問題との関わりについての研究、(3)シュトラウスの思想史研究の方法による過去の政治哲学者の思想史的研究を柱として進められた。(1)の研究としてはアメリカのノートルダム大学からマイケル・ズッカート教授とキャサリン・ズッカート教授を招聘し、「シュトラウス・シュトラウス学派とアメリカI・II」、「なぜシュトラウスを研究するか」、「ポストモダン政治思想家としてのレオ・シュトラウス」という講演などから知識提供を受け、それをもとにした討議を通じて知見を深めた。とりわけ、近年のアメリカの国際政治政治政策の展開とともにシュトラウス派の政治思想に注目が集まる中、これらの講演と議論から得られた知見は極めて示唆に富むものであった。おそらくこの研究会での議論の内容は、わが国における政治哲学研究のなかで画期的意味を持つ水準のものであったと言えよう。(2)の系列の研究に関しても、現代の政治と倫理の問題に関して活発に研究が進められ、オーストラリア・グリフィス大学からH.パタパン氏を招いての「立憲主義」についての講演とそれに続く討論を通じての研究や、研究分担者山内廣隆の著作『環境の倫理学』(丸善)第10章『レオ・シュトラウスの政治哲学における近代」や霜田求の政治哲学と生命倫理の関わりについての研究などに顕著な成果があった。(3)の系列に属する研究としては、川出良枝、柴田寿子、中金聡らによるモンテスキュー、スピノザ、オークショット、ジュヴネルらの研究に著しい成果が認められる。また、パタパン氏の「マキアヴェリにおける愛」の講演はこタイプの研究に大いに刺激を与えた。われわれの今年度の研究によって、最近のアメリカ合衆国の政治政策とともに歪んだ形で語られはじめたシュトラウス政治哲学の本当の姿を浮かび上がらせることに、ある程度貢献ができたと自負している。
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