研究課題/領域番号 |
13410019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 康宏 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50141990)
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研究分担者 |
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (00242074)
馬渕 美帆 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (60323557)
河野 元昭 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70000453)
大久保 純一 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助教授 (90176842)
山下 裕二 明治学院大学, 文学部, 教授 (50200697)
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キーワード | 都市 / 赤壁 / 西湖 / 天橋立 / 雪舟 / 南蛮屏風 / 大雅 / 広重 |
研究概要 |
佐藤の論文「南蛮屏風の意味構造」は、桃山時代に制作された一群の南蛮扉風を記号論的に読解する試みによって、おそらくは長崎を想定しているであろう南蛮屏風に描かれた都市がどのような構造を持つかを明らかにするとともに、洛中洛外図など都市を描く絵画一般を分析する新たな視点を提示した。同じく「遠景の色」は、江戸時代中期の画家池大雅の山水画の技法と表現内容とが強い関連を持つことを説く中で、「龍山勝会図」(静岡県立美術館)の遠景に描かれる街の機能を明確に論じ、また京都の儒者の家宅を描く「楡枋園図」(大徳寺)のための予備的な考察も行なっている。 山下の論文は雪舟の絵画そのものについての本格的な論考であり、図書は雪舟がいかに語られてきたかという言説史を編み解説を加えたものである。いずれも雪舟筆「天橋立図」(京都国立博物館)と中国の西湖図との関係について再考する部分がある。板倉の論文は「後赤壁賦」を絵画化した現存最古の画巻を主題に、李公麟や蘇軾周辺の都市の知識人・芸術家たちのネットワークに着目する。 大久保の論文は、広重の名所絵における光源としての月の意義を強調する。 初年度に発表された論文は、代表者・分担者が従来から進めてきた研究テーマを、一部今年度に実施した調査や購入した文献によって深めたという性格のものである。今年度の共同研究の成果は次年度以降に結実するであろう。
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