ドーパミン関連遺伝子の効果のグラフィックベイズ分析

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13410023
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 繁桝 算男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091701)
• 研究分担者: 望月 聡 筑波大学, 心理学系, 講師 (30313175) ; 笹川 昇 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70302817) ; 石浦 章一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10158743) ; 大森 拓哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80332617)
• キーワード: DAD多型 / TCI / 構造方程式モデル / MCMC

研究概要

DADの多型、および、DATの多型頻度のデータを蓄積している。サンプルは、毛髪から採取したDNAであり、PCR法を用いた。同時に、TCI、TPIなどの性格検査データを収集している。多型と性格との関係を検討しているが、現在、直截的な形では、結果が出ていない。今後は構造方程式モデルを用いて、準実験の解析として、環境要因の影響を除去することによって、因果関係を浮き彫りにするデータ解析を開発中である。
この直接的実験的方法と平行して、本年度は、双生児法による遺伝と環境の影響を分離する多変量解析法を開発した。これは、ベイズ的なアプローチを用いており、制約条件を極力少なくして、データから素直に、各性質の遺伝決定率を推定するものである。より具体的にモデルを説明する。前提として、双生児MZとDZについて、複数の変数が観測されていることを仮定する。また、MZとDZの遺伝決定率の比については、実質的な知識があるとして事前分布を定める。また、遺伝決定率が同一であると考える変数群を特定するその条件のみで、構造方程式を構成し、このモデルに基づいて、未知の遺伝決定率を、MCMC法を用いて、推定するプログラムを開発した。

研究成果

• [文献書誌] K.Shigemasu, T.Hoshino, T.Ohmori: "Bayesian Analysis of Structural Equation Modeling"Measurement and Multivariate. 207-216 (2002)
• [文献書誌] Suo, S., Sasagawa, N., Jshiura, S.: "Identification of a dopamine receptor from Caenohabditis elegans"Neurosci.Lett. 319. 13-16 (2002)
• [文献書誌] Sasagawa, N., Ishiura, S.: "Myotonic dystrophy protein kinase"Wiley Encyclopedia of Molecular Medicine 5. 2203-2205 (2002)
• [文献書誌] Hotoda, N., Koike, H., Sasagawa, N., Ishiura, S.: "A secreted form of ADAM9 has an alpha-secretase activity for APP"Biochem.Biophys.Res.Commun. 293. 800-805 (2002)
• [文献書誌] Hattori, C., Asai, M., Oma, Y., Kino, Y., Sasagawa, N., Saido, T.C., Mariyama, K., Ishiura, S.: "BACE1 interacts with nicastrin"Biochem.Biophys.Res.Commun. 293. 1228-1232 (2002)
• [文献書誌] Suzuki, T., Nakagawa, M., Yoshikawa, A., Sasagawa, N., Yoshimori, T., Ohsumi, Y., Nishsino, I., Ishiura, S., Nonaka, I.: "The first molecular evidence that autophagy relates rimmed vacuole formation in"J.Biochem. 131. 647-651 (2002)
• [文献書誌] 柳井, 岡太, 繁桝, 高木, 岩崎編: "多変量解析ハンドブック"朝倉書店. 889 (2002)